の水槽試験による設計資料の範囲を越えた特殊プロペラを設計する上で効果を発揮している。
プロペラ起振力の面から見れば,できるだけ大きなスキューを採用する方が,起振力のより大きな軽減効果が期待できるが,それを制限する要素として翼強度の問題がある。
スキュー翼はその形状の特殊性から,普通翼とはかなり異なった応力分布となっている。またスキュー翼については,従来の梁理論では正しい応力の分布を求めることができない。従って,有限要素法(FEM)を用いて翼強度の解析を行っている。
3・51図及び3・52図は,それぞれFEMにより求めた普通翼とスキュー翼の応力分布を示す。
3・52図で明らかなようにスキュー翼では,普通翼と違い応力の最大値が後縁側に移動しており,スキュー角を更に大きくした場合0.5R〜0.6R付近の後縁により高い応力が発生する。従って,スキュー角を決定する場合,翼強度と起振力低減効果等を総合的に判断し決定しなくてはならない。特に固定ピッチプロペラの場合での後進時の応力分布(3・52図)が,可変ピッチプロペラ(3・53図)と相違するので注意する必要がある。