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ついては,「第5章1・3デフレクション計測とその処置」による。

3)弾性ゴム不良

(1)防振ゴム不良

機関台や共通台板などに用いられている防振ゴムは,長期間を経過すると,ゴム質が変化し硬化するので,亀裂を生じたり,変質して振動を十分吸収できなくなる。

従って防振ゴムやパットなどは,定期的に点検して必要ならば交換しなければならない。

(2)ラバーブッシュ不良

発電機などのカップリングに用いられるとラバーブッシュは,ゴム質の変化や摩耗などを生じると,その機能を消失し,振動を十分吸収できなくなる。従って定期的に点検して,必要ならば交換しなければならない。

(3)ラバーブロック不良

中小形機関の減速機への伝動接手として最も多く用いられており,ゴム質が変化したり,摩耗したり,破損した場合は,振動を十分吸収できないばかりでなく,動力を円滑に伝えることができなくなるので,定期的に点検して,必要ならば交換しなければならない。

4)機関の不良

(1)重量アンバランス

ピストンやコネクティングロッドなど,各シリンダに用いる部品は,極端なアンバランスがあると,慣性力や遠心力に大きな差異を生じるので,振動を生じることが多い。特に高速回転で用いられる機関の場合は,その影響が特に大きくなるので,各シリンダのピストンやロッドの重量は均等化したものとしなければならない。

(2)シリンダ間のアンバランス

各シリンダ間に,噴射量のバラツキを生じたり,噴射タイミング,バルブタイミングの狂いや,ノズルの故障,ブランジャの摩耗などによる燃焼状態のアンバランスが大きく発生すると,これによる大巾なトルク変動を起こして不規則な回転となり,機関振動が大きくなる。

(3)過給機の不良

過給機はシリンダの上部に設置されることが多く,ブレード欠損や曲がりなどで,ダイナミックバランスが崩れると振動を生じ,この振動が機関に伝えられ,共振すると思わぬ程,大きな振動を発生することがある。

5)ダンパーの故障

(1)ダンパー不良

クランク軸の前端に振り振動を吸収させるための,ダンパーが設けられている。ディスクとリムは弾性体で運結されており,一部シリコンオイルを入れて冷却するものも

 

 

 

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