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冷却水管内壁のスケール付着や,油通路側の汚れ,スラッジ付着堆積を生じると,熱伝導が悪化して冷却不足し,オーバーヒートを起す。3〜4年毎又は定期的にオイルクーラは洗剤で清掃しなければならない。

? 摺動部のスカッフ

ピストンライナ,軸受けなどに軽微な焼付きを生じている場合は,発熱により油温が上昇し,オーバーヒートを起すことがある。その分だけ摩擦損失が増加するので出力低下となる。油温が上昇すると油圧も低下するので,直ちに運転停止して,ハンドクランキングできるか否か点検しなければならない。

?クラッチ板のスリップ

摩擦による発熱で潤滑油温度が上昇し,オーバーヒートを起し,油圧が低下する。

油圧クラッチ減速機の潤滑油温度は,トロール弁や定速弁操作による場合でも,最高80℃までの範囲で使用することが重要である。

(6)噴射タイミングの遅れ

燃料噴射タイミングが遅れると,あと燃えが多くなり燃焼温度が上がり,排気温度も上昇するので,オーバーヒートを起すことがある。

(7)オーバーロード長時間運転

過負荷運転を長時間連続して行うと,オーバーヒートを起こすので,過負荷運転は最長でも連続1時間以内に止めるようにしなければならない。

6)ガバナ故障

(1)ガバナスプリングのへたり

バネ力が減衰してくると,フライウエイトとのバランスが崩れるので,コントロールラックの移動量が少なくなり,噴射量が不足する。従って出力低下となる。

スプリングを交換するか,シム調整するか,アジャスティングスクリューにて,ガバナの種類に応じて適当に修正をしなければならない。

(2)オイルフィルタの詰まり

専用フィルタが設けられており,エレメントが目詰まりすると,油量が不足して油圧が低下するので,出力が低下する。フィルタは定期的に点検清掃すると共に,エレメントを交換しなければならない。

(3)リリーフ弁の膠着

リリーフ弁からのリーク量が多い状態で,スティックすると,油量不足となり油圧が低下するので,出力が減少する。リリーフ弁の分解修理が必要となる。

(4)ガバナの調整不良

ガバナは機関の出力及び回転速度をコントロールする重要な機能を持っている。スモークセットや高速ストッパ位置,及びトルクスプリングやアダプタスプリングカなどは,全て動力計により所要の性能スペックに合せて調整し,通常は,これら調整を

 

 

 

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