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防振方式を使用した意味がなくなってしまう。

ちなみに,固有振動数と各次数の共振点の関係は下記となる。

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(2)固有振動数の設定

1)で示した次数のうち,2次成分の起振力については往復運動部重量(ピストン,及び運接棒の一部の合計重量)のシリンダ間のバラツキをなくす事によりその影響をおさえる事が可能である。

1次成分についても実際に機関を運転してフイールドバランス(回転運動部重量の不釣り合いをクランク軸の両端におもりを取り付ける事で解消する方法。自動車のホイールバランス取りと同様な考え方)を実施することである程度影響をおさえる事ができるが,機関使用回転範囲内に設定しておく事は危険な事である。

よって,1次と3次の共振点が機関使用回転数範囲内に発生しない様な防振系の固有振動数を決定する必要がある。

(3)固有振動数の決定方法

防振系の固有振動数を決定するには下記の要素が必要になる。

a 機関質量       g 弾性継手バネ定数

b 機関慣性モーメント  h 弾性継手個数

c 機関重心位置     i 弾性継手配置

d 防振ゴムバネ定数   j 伸縮継手バネ定数

e 防振ゴム個数     k 伸縮継手個数

f 防振ゴム配置     l 伸縮継手配置

これらの要素を用いて防振系の各固有振動数の計算を行うが, a〜cの項目については機関形式が決まれば数値に変更はほとんどない為,d〜lを調整して最適な固有振動数を決定することとなる。

また,防振ゴムのバネ定数の精度は防振系に大きな影響を与える為,実際に防振ゴムの動的バネ定数を計測して計算の精度を上げる必要がある。

設定の一例を5・15図に示す。

127-2.gif

 

 

 

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