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5 LONDON GUILDHALL UNIVERSITY

 

5.1 調査の概要

つぎのとおりの内容が調査の結果、得られた。

・ 英国の海運は、ここ10年減少傾向をたどってきている。

・ 船員需給の面では、需要が供給を越えてくる形で、今後バランスを崩すおそれがある。

・ 船員の供給(キャデット)は、数の面では問題はないと判断できるが、質の面では、品質向上のための訓練等の必要がある。

・ 海運(業務・研究を含む)に関する新たなデータベースを構築する動きは、英国にはないが、EUでは学術用があり、現在進行中である。

5.2 英国の海運の現状

(1) 英国船隊

・ 1985年から今日までの変動を見ると、英国船籍および非英国船籍の両方では、1000隻余から漸減して、2/3弱となっている。

・ その中で、英国船籍の隻数は半減し、DWTは1/4に減少している。反面非英国船籍の船舶の隻数・DWTはともに増大している。

(2) 英国職員

・ 英国船隊の職員数は、1988年からの5年間の推移を見ると、総数(英国船籍船・非英国船籍船の合計)は、僅かに減少している(3.4%の減少)。

・ 英国船籍船の職員が11%減であるのに対して、非英国船籍船のそれは1.3倍の増となっている。その結果、英国船隊における職員の比率は、1988年に英国職員が92%であったのに対して、1993年には英国職員が85%になってきた。

・ 具体的には、英国船籍船の英国職員の減少は30%に及び、それに対して非英国船籍船の英国職員が約50%増、非英国船籍の非英国職員が1.5倍となっている。

・ バックアップ要員は、 1988年には全体の27%強であったが、1993年には全体の44%にもなっている。

・ 職員の構造(上級/初級・年齢層)などが変わってきた。

・ 職員の内訳をみると、92・93年では、英国職員では上級が約45%、初級が27%、非英国職員では上級が10%、初級が20%(いずれも全体に対する比率)となっている。

・ 職員の年齢構成を見ると、1981年のときと1991年のときとの比較では高齢化が進んでいる。具体的には1981年の27才に対し、1991年では40才となっており、2000年には50才となるとの予測も出ている。

・ キャデットは、英国では1975〜80年に職員の18%であったが、85年には4%に落ち、その後次第に増加し、93年には10%に回復している。

・ 英国船隊におけるキャデットの国籍は英国が約80%で、年度により異なるがアイルランド・インド・フィリピン等となっている。

・ キャデットは、産業界から350人ばかりの受入れがあると仮定されており、

 

 

 

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