2 DNV (DET NORSKE VERITAS)
2.1 調査の概要
つぎの事項が調査の概要である。
・ DNVは、緊急時や、危険の減少を基本的に取り組んでいる。具体的な方針としては、危険に関して、ロスコントロールに着目し、その中で人間に起因する内容を調査している。これにはISMコードで対応している。
・ 乗組員に関する研究では、500トン以上の船舶事故で、その原因は77%が人的要因で、23%が技術的要因である。航空でも、同じような傾向を示し、ぞれぞれ80%と20%になっている。
・ 品質保証という面から、安全を見ると、能力に関する莫大な量の内容を規格化していかなければならなくなる。そのためには、ISM・STCW・ILOなどが人的要因の細目に関係してくることを考慮しなければならない。
・ 人的な品質保証を船員教育機関がしていないので、知識、資金、人材共に揃っているDNVがリーダー役を果している。
・ MITSにおけるDNVの役割は、国と関連業界と密接に連携して、船舶の安全運航・環境保全への要求に答えつつ、ノルウェー海運の国際競争力を改善することである。
2.2 DNVの概要
(1) DNVの実績
DNVは、10ヵ国から約300人の船舶職員を訓練しているし、67ヵ国で4500人使用しており、6000のISOの証明書を発行し、全船舶の16.5%・新造船の20%は対象としてきた。
使用人は、アメリカ 500 欧州 2700 アフリカ 700 アジア 700 豪州 80となっている。
安全の対象としては、生命・財産・環境とし、とくに沖合リグ・造船・フィリピンにおける人的資源に力を入れている
人的資源には技術・製品に対する研修・資格の面で、貢献している。
なお、全収入の7%を研究開発に当てている。
(2) DNVのノルウェー海運への支援
・ DNVの理事会は各産業界からの人間で構成されており、DNVをコントロールすると共にDNVは産業界のために存在しており、DNVがノルウェー海運の方向付けを行ってもいる。
・ ノルウェー海運への船員供給源は東南アジアであるが、同地における船員教育のレベルに問題がある。またロスコントロールにおいても技術水準が重要視されており、信頼性のあるオペレーターも必要である。そこで訓練・研修をDNVは積極的に受け持っている
・ 訓練・研修等では船員教育機関は能力と資金の問題があるので、知識、資金、人材共に揃っているDNVがリーダー役を果している。