4 システム開発の将来像
(1)モデルの提示から観光情報総合ディレクトリの構築へ
本調査に基づいて構築するシステムは、今後のマルチメディア型観光情報の収集・提供システムのモデルとなることを念頭においた。このシステムが模範となって同様のシステムが各地の実情を反映しつつ構築されていけば、その次のステップとして、全国的な規模でのマルチメディア型観光情報提供の仕組みへの発展が期待できる。現状においては、消費者が求める動態情報が不足しており、その根本的な理由は動態情報を集める人のネットワークの仕組みができあがっていないことだが、
?動態情報収集の仕組み
?情報提供側にとって扱いやすい情報機器
が実現できればその効果が期待できる。
(2)観光情報総合ディレクトリのイメージ
一般消費者のニーズから見た全国規模の観光情報総合ディレクトリのイメージは次のように整理できよう。
?国内の観光情報関連ホームページが一覧できる。
?旅行行動に合わせた情報提供がなされている(目的地の地域情報に加えて、天気、宿泊・交通機関の予約、旅行商品の予約等)。
?それらに対して様々なニーズに基づいた情報検索が可能である。
?一定の評価情報が付加されている(多様を情報発信元から玉石混淆の多数のホームページが提供される時代には、公共的な団体等が提供する信頼性の高い情報の価値が高まると考えられる)。
最終的には、交通機関、宿泊施設、その他観光関連のホームページを網羅し、「双方向性」を持ち、かつ「ワンストップ型」の情報収集が可能になるような総合的な観光情報ディレクトリとすることが望ましいと考えられる。
(3)観光情報総合ディレクトリ構築のプロセス
全国規模で作成する場合、基本的には都道府県、市町村、観光協会等のホームページを基幹として作り上げる。インターネットの特性からいっても、1カ所で多大な費用を投入しなくとも、各地の自治体・観光協会等で作成された情報を集約することで、全国的な規模の観光情報総合ディレクトリの作成は可能である。
この際、個々のホームページの質及び情報量を確保することが重要である。そのためには全国組織の団体が「ホームページ仕様の標準化」を行うよう、ガイドラインを提示して啓蒙する必要がある。