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?. 計画地区の整備計画

 

1. 基本方針(基本コンセプト)

 

●本国際交流拠点の計画対象地がある七飯町は、20年近く前から国際交流を始め、それを草の根から支える土壌も培われている。つまり、地元地域住民と外国人との国際交流については経験と人材が豊かであるこの地で、今後国際交流の輪を姉妹都市や研修などからさらに広げて、一般外国人旅行客も対象として迎え入れ、交流して行く素地が充分にあると思われる。

●こうした交流の中で、国際観光テーマ地区のビジターセンターとして位置づけられる本交流拠点整備計画においては、この地域住民と外国人観光客との交流のために、情報提供、ボランティアガイド等の紹介、体験メニューの提供、観光案内といった役割の必要性がまず第一義として挙げられる。

●一方で「観光」を国内客を含めて全般的に見ると、七飯町が誇る道内有数の観光地である大沼国定公園の地区では年間300万人近い国内観光客を数えているが、そのうち宿泊客は1割程度である。しかし、大沼の魅力を考えると、駒ヶ岳や大沼の美しい自然景観といった「見る魅力」も大きい一方で、豊かな自然を背景に、スポーツや自然探勝、様々な体験メニューなどでゆっくり腰を落ち着けて楽しみたい魅力を持つリゾート地としての性格も有しており、通過型から滞在型への脱皮が課題として挙げられている。

●この課題解決のためにも、サイトシーイングだけでなく、地域住民と国内観光客との交流を含めた観光活動の深化が図られる必要があるが、これは地域住民と外国人観光客との間の国際交流のために求められる機能と、例えば体験メニューの提供やボランティアガイドの紹介などで一部大きくオーバーラップしてくる部分がある。

●この[地域住民←→外国人観光客]間の交流促進機能と[地域住民←→国内観光客]間の交流促進機能を重ねあわせることで、新たな効果も期待できる。すなわち、[外国人観光客←→国内観光客]の間の交流である。同じ道を歩み、同じものを見聞きする旅の同行者は親近感を持ちやすいものであるが、この拠点で外国人観光客と国内観光客を旅仲聞(フェロー・トラベラー)として結びつける機能があれば、第三の交流活動を産み出すことができる。

●また、このフェロー・トラベラー発生仲介機能とも言える機能は、地域住民、外国人観光客、国内観光客の三者間だけに限定する必要はなく、様々な国々の様々な地域から集まる外国人観光客相互、あるいはいろんな地域

 

 

 

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