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3. 北海道におけるオートビレッジの必要性

 

・北海道では、新長期総合計画(昭和62年11月)の時点で、北海道各地にオートキャンプ場を核としたレクリエーション拠点を設け、雄大な自然を楽しむ野外活動型リゾート形成を提言している。

・全道的にネットワーク化された広域公園の均衡ある配置を進めている「北海道緑のマスタープラン」の中で、オートキャンプ場の必要性を盛り込んでいる。

・国民のアウトドア志向、家族志向にマッチした車利用による移動を前提とした「オートキャンプ」は、北海道の豊かな自然を満喫する手段として、その土地の広域性とあいまって、国内では最適の地域であることは自明のことである。

・複合的なレクリエーション交流拠点としての「オートビレッジ」は、自然を健康的に楽しむ野外活動の場と同時に、気軽で低廉な移動宿泊施設としての側面も重要である。

・オートビレッジの充実とネットワーク化は、新しい北海道観光、特に夏の北海道観光の新しいスタイルとなると推察される。

・本格的な余暇社会と1,800労働時間への流れの中で、余暇活動は日常活動の領域でも確実に増えていくものと考えられる。野外活動型のミニリゾートとしての「オートビレッジ」は、本格的な高水準な施設の導入と、情報ネットワークの完備により、雄大な自然が主題の北海道観光の新たな魅力となろう。

・バブル崩壊後の混迷した経済状況の中で、今後のリゾート整備の在り方について注目される視点は、“国民のためのリゾート”を当面の目標として、「家族が年に一回一週間程度滞在できるようなリゾートライフの実現」を想定している。この見地からも、「オートビレッジ」を利用しての長期滞在にとっては、北海道は最適の土地条件を考えられる。

・車移動を前提とするオートキャンプ活動にとって、交通ネットワークの整備は重要な課題である。北海道新長期総合計画でも、「半日交通可能圏を全道に広げる」ことを目標に、高速交通ネットワークの形成を掲げ、生活活動の拡大と活性化を謳っている。

・道外からの来客に関しては、フェリーの利用により、東京方面からは苫小牧・室蘭・釧路、新潟方面からは小樽へと運航され、利便性が高い。また、空港からのレンタカー利用も含めて、道外客にとっても北海道での「オートビレッジ」を気軽に楽しむことが可能である。

・なお、JR各社では、列車と駅レンタカーをセットした「トレン太くん」などの割引切符を販売しており、北海道観光では特に便利で人気が高まっている。

 

 

 

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