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2. 基本方針

(1)現状での課題

・備中町の基幹産業は(農家が全世帯数の約70%を占めていることで明らかなように)農業である。農業は標高450m前後の高原地帯を中心に、夏の冷気を利用した、野菜・果樹栽培が盛んであり、主な作物は水稲、トマト、ピオーネ、たばこなど多彩な農業を展開している。また、畜産は、農業における比重が大きく、農業粗生産の約7割を占めており、和牛、豚、鶏が多い。

上記のような町の農業において、日本の農業に共通ともいえる、次のような課題をかかえている。すなわち、農業従事者の高齢化や農業従事者の減少による労働力の減少、耕地面積が一戸当り64aという零細経営、機械化への過剰投資による農業経営の圧迫、農業用水や近代化施設の拡充の必要性、輸入自由化による畜産物の価格の低迷などである。

・備中町の農業以外の就業の場についてみれば、町内では製造業、サービス業、卸売、小売、飲食店、建設業などが主であるが、事務所はほとんど零細な経営規模であり、量的にも、多様性においても充分であるとは云いがたい。また、町の周辺地域には、都市規模の大きな中核都市がないので、町外に雇用機会を求めることも難しい状況である。

・一方、備中町は備中湖、成羽川の両岸及び天神山を含む一帯が「高梁川上流県立自然公園」に指定されているように、自然資源の豊かな町である。また、歴史的観光資源、伝統芸能、やすらぎの里など既存の観光施設、観光農業など町全体の観光の潜在的可能性は相当高いということが云える。しかしながら、現状ではこれらの資源・施設が充分に活用されているとは云いがたい。

・上記のような農業、雇用、観光の現状の課題に対して、今後、積極的に観光を推進することが、有効な対応策の一つと云うことができよう。すなわち、町の農業や低利用の観光資源を活かして、観光を推進することにより、小規模で多様な農業の有効利用、農産物の販路拡大、農産物の加工などによる高付加価値化、サービス業の発達による多様な雇用機会の発生、高齢者の潜在能力の活用など、上記課題に対する有効な効果が期待できる。

 

(2)整備の基本方針

? 備中町の町づくりの柱の一つとして今後、観光に積極的に取り組んで行くことを想定し、町のオートビレッジの整備を観光推進の手段として位置づける。

 

? 西山高原において農村型リゾートの形成を図ることとし(西山高原農村リゾートと仮称)、本整備地区を西山高原農村リゾートの中核拠点の一つとする。西山

 

 

 

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