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2-4 交流とまちづくり

柏原宿は中山道という歴史的に交流の大動脈として発展したまちです。したがって人々との交流にかけては先進的なまちであったはずです。しかるに、今JR東海道線柏原駅に降り立っても案内の一つもありません。歴史的資産を活かしたまちづくりは全国で展開され、中山道柏原宿を訪れる人も相当数にのぼります。観光化による公害を憂慮する声も少しはありますが、その前に最低限の受入れ体制を整備することは、歴史的まちなみにかかわらず必要なことといえるでしょう。

 

?訪れる人に親切丁寧なまちづくり

まず、訪れる人に親切で丁寧なまちとするとこが第一です。そこここに立つ説明板が好評なように、訪れる人に丁寧な説明、案内が必要です。駅前の案内板、街道案内サイン、ガイドブック等ができれば最高です。常時じゃなくとも、連絡と案内システムがあればそれ程無理なくできます。まず、そこから出発することが大切ではないでしょうか。

 

?玄関口、休憩、飲食施設の整備

旧松浦邸の歴史資料館が平成10年4月開館の運びとなり、一つの核施設が誕生します。これは画期的なことであり、休憩場所、トイレ、歴史資料展示、交流と種々な面での役割が期待されます。これを活き活きとした運営としていくためにも、訪れる人が時々休憩したり、食事をしたりできる場所が必要です。これには行政だけではなく、民間活力を活かした、玄関口(JR柏原駅)、休憩所(街頭ベンチだけでも良い)、飲食施設の整備が望まれます。

 

?歴史を体現できるものの充実

柏原宿には、歴史が豊富に眠っています。しかし、旧松浦邸以外に自由にみれる施設や建物がありません。街道は自由に見れますが、やはりもう少し奥まで見れるところ、見せ場がほしいものです。既存のお店等(亀屋さん等)を見学できるシステムとともに、旧松浦邸はいわゆる街道町家ではないので、柏原宿らしい街道町家の公開民家がほしいところです。その他寺社等の公開方式も検討の余地があります。

 

?種々な体験ができるルート

柏原宿は中山道にあり、となりに醒ケ井宿等があります。また、柏原宿自体も長い区間をもっているとともに周辺に自然や成菩提院のような由緒ある寺もあります。これらを種々な時間ルートでめぐれるネットワークづくりが大切です。その中で歴史的まちなみ、農地、自然、寺院、伊吹山の眺望、街道の楓並木等を楽しむことができます。

<ルート例>

・柏原宿・成菩提院ひとめぐり(1〜2時間コース)

・柏原宿・寝物語の里・楓並木(2〜3時間コース)

・柏原宿・醒ケ井宿中山道ハイキング JR柏原←→JR醒ケ井(5時間コース)

いずれも眺望点整備で伊吹山眺望ポイントを組みいれる。

 

?観光と活性化は後からついて来る

訪れる人に親切で丁寧なまちづくりと、住むための魅力的な環境づくりを押し進めていけば、いわゆる幅広い交流(観光)と地域の活性化は後からついて来るものです。柏原宿の人達が「やいと祭」で発揮するまちづくりへの力が日常的にうまくシステムとして持続していくこと、それが地域の活性化といえるのではないでしょうか。

 

 

 

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