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第4章 柏原宿の建物とすまい方

 

4-1 ワークショップ?の概要

(1)ワークショップの記録

・日時:平成9年10月18日

・場所:柏原婦人開館及び柏原各住宅

・参加人数:35名

・調査対象:20軒

 

(2)ワークショップの目的

柏原宿には伝統的な建造物が残り、中山道の宿場町としての繁栄の面影が随所に残る。柏原宿のまちなみを建造物一つひとつから見つめていくことは大切である。また調査も専門家と地元の方と共同で行うことにより、伝統的まちなみへの理解を高める。

 

(3)調査の内容

柏原宿の代表的な建造物について、平面図、配置図の実測調査とすまい方のヒアリング調査を行う。

?建物実測調査

間取り、内部寸法(柱間、柱太さ、内法寸法等)、内部の仕上げ、外部の様子(塀、裏庭、前庭、道路からの後退距離、附属建物等)、外観(屋根方向、屋根形式、建具の様子等)の調査及び写真撮影を行った。

?すまい方調査

居住者の概要、建築時期や改造時期、用途の変遷、保存状態(建物の傾き、雨漏りの有無等)、生活環境(採光や通気、住み心地等)その他、建替の計画や家への思い、柏原宿への思い等をヒアリング調査した。

 

(4)調査の様子

【ワークショップニュース vol 4より】

■柏原宿 建物調査を実施

柏原宿の伝統的な建物20戸についてその建物の概要やすまい方の聞き取り調査、各戸の配置や間取りの実測調査を行った。調査は5チームに分かれ専門家、地元調査員が一緒になって行い、それぞれの分担で建物調査を進めた。調査のとりまとめは順次すすめているが、速報として調査の様子や感想をお伝えする。

調査は建物実測担当とヒアリング担当を決め、実測には建築の専門家と平安女学院短期大学の学生、ヒアリングには専門調査員と地元の調査員という1チーム6、7人で、1戸の調査1時間程度で行った。調査対象は江戸時代の建築の大きな住宅(亀屋左京さんなど5戸)については既に県の調査等で実測されており、まだ調査がされていないものや、明治、大正時代の建築に加えて伝統的な方法で建築された昭和、近年のものも調査対象に選んだ。

私のチームがまず最初に伺ったのは、昭和58年に新築されたお宅である。ベンガラの朱が鮮やかな建物である。改築される前の建物は江戸時代の建築、厨子二階のむしこ窓のある住宅であったそうだ。現在の住宅もヨツマで、栗縁のまわっている間取りである。南に

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