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するまちづくり」などのテーマについてみんなで話し合い、そしてまちの将来像を描き、共有していくことが大切である。その際、まちづくりの基本的な方向性は「市場庄の歴史的町並を活かしたまちづくり」であることが望ましいと思われる。

みんなで話しあったまちの将来像が、現在策定中の「都市計画マスタープラン」の地域別構想に、きちんと描かれるように提案していくことも重要である。

 

? 土地利用の方向性をはっきりさせるために「線引き」および「用途地域設定」をしよう

まず、「都市計画不在のまち」を解消する第1歩として線引きを検討し、「市街化区域」と「市街化調整区域」とに分けていくことが大切である。市場庄は、既に市街化されているため「市街化区域」に編入されることと思われる。なお、線引の際には、市場庄のことだけを考えるのではなく、三雲町全体のことを考えながら、町全体の生活環境が向上するような方向で、土地利用、まちの将来像を決めていかなければならない。

線引きを行った後は、更に具体的なまちの将来像を掲示するために、用途地域の設定を検討する必要がある。市場庄では、基本的には住居系を基準とした用途設定が望ましいと考えられる。またその中においては、低層(2F以下)の町並を維持できるように低めの容積率(100%以下)の指定を検討すべきであろう。

 

? 歴史的町並を活かしたまちづくりに取り組もう

線引きや用途地域設定を行い基本的な都市計画を整えた上でさらに歴史的町並の保全・継承を実現していくためのまちづくり制度を検討することが重要である。

まず、最初に検討すべき制度は、前述の「伝統的建造物群保存地区制度」である。本調査報告書で明らかになったように、文化財として高い価値を持つ市場庄の町並は、(これ以上の町並の破壊が進行しなければ)伝建地区指定の可能性は十分にあると思われる。前述の通り、伝建地区制度か適用出来れば、町並の保全・継承に国庫補助を得ることが出来るという大きなメリットがある。

三雲町独自の条例による町並保全への取り組みの可能性も残されているが、条例によって町並保全地区等に指定することか可能になっても、基本的には国庫補助に頼らずに三雲町独自の

 

 

 

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