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余裕がある、もともと街道交通への依存度が高くない。などから今後の生活変化への対応が容易。残しながら生活することが可能である。

 

2.町並の特色

町並の形態とその形成

市場庄の町並は、周囲に比べてわずかに高い砂碓上に成立したものであり、町並の軸となる街道は全体的に蛇行し、直線部分は殆どない。このため、景観的には数軒分の家並が単位となって、微妙に表情を変えながら次々に街道を行く人の目に表れてくる。

屋敷地割には一定の規格性は認められず、奥行、間口はまちまちであり、街道と屋敷地の縄張が統一的、計画的になされたとは考え難い。敷地境界は、特に地尻では明瞭な境界装置を持たず、また、不安定である。

町並形成の中心となる地区も地割りからは明確に読みとることはできないが、庄屋宅や神楽寺が所在する一帯がそれに当るのであろう。神社は町並とは難れ、街道と並行する

農業生産と町並

市場庄はもともと、街道交通への依存度は低く、ミセでの商売も土産物や雑貨の小商い程度であり、農業経営の副業の域を出るものではなかった。このため、明治中頃の街道交通の衰退も、町並の衰退を招くこととはならず、殆どの家で商いを廃業したものの、農業を主として生計を立てることができた。

また、街道への依存度が高く田畑の少ない層は、近代において、存続が難しかった。

上層に位置するのは地二十二層であり、余裕のある豊かな農業経営から、市場庄の農民は「旦那百姓」と呼ばれたという。

正面を整える

敷地間口は一般的な平入町屋の町並に比べて広いが、敷地間口を主屋と門、土蔵、納屋で塞ぎ、町並を建築によって作っていく・建築群によって町並を整えていく。江戸末期には、このような町並は定着している。土蔵は小作人からの米を納める米蔵であり、搬出入の便と地主の威信のために表に位置するという。

町並の性格

宿場町ではない、在郷の経済の中心でもない。農業を主体とする町並である。

 

 

 

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