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五章 町並の建物・景観の現状

 

連続写真

町並の現状を記録、把握するために、連続立面写真撮影を行った。町並の特徴を挙げる。

・伝統的な町屋の形式は妻入りであり、道に対して妻面が連続する。

・敷地間口を主屋と門、土蔵、納屋でふさぎ、町並みを建築群によって構成していく。

主屋の建築年代

市場庄の伝統的な町屋の形式は妻入である。伝統的な形式の主屋は約30棟(151中)で、全体の20%を占める。

市場庄の妻人町屋は、その外観の特徴と建築年代から二期の時期に区分することができる。

敷地規模と主屋規模

伝統的形態の町屋の敷地間口と主屋間口の相関を示した。市場庄においては妻人町屋は敷地間口に関わらず、主屋の間口はほぼ一定である.基本的な上屋に、適宜下野部分を設け生活の要求に対応していた。広い敷地間口を主屋だけでなく、その他の付属屋でふさぐ。

出入口の形態

現在伝統的形態の妻入町屋は主屋総数の約20%を占める。主屋が建て替えられても、木造在来工法による限り、妻面を街道に向ける構成は踏襲されており、これらを併せると街道に妻面が向いているのは主屋総数の60%を占める。湾曲した市場庄の町並みでは新しい妻入り建物も景観上異質な感じはしない。むしろ妻面の連続による町並みの統一感を感じる。

出入口は、伝統的な形式の町屋においては妻入・平入問わず、街道に面し正面の南寄り(伊勢寄り)の位置を占める。

 

 

 

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