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庄地内や周辺での開発も活発であり、町屋の建替も進行している。こに対して、市場庄の特質を活かした個性的な町づくりの方策を、住民や関係諸機関が考えていくための手がかりを提供することも、調査者のねがいとなっている。

 

2.調査地区の範囲

ここでの基本的な調査地区は、三雲町市場庄地区の一丁目から十丁目の範囲であり、近世に遡る市場庄の町並全域を含んでいる。しかし、この地区は現状ではその北で六軒(松阪市六軒)の町並と連旦しており、歴史的にも六軒は市場庄の枝郷として成立している。更に、市場庄の町屋は妻入、六軒の町屋は平入と、異なる形態を持っており、その理由も大いに関心の時たれるところである。

このような理由から、六軒は松阪市に属し、三雲町に属する市場庄とは行政区画を異にするものの、適宜調査範囲を拡大し、六軒「地区をも含めて調査を行うこととした。

 

3.調査の内容

1)町並の沿革、形成過程

地図史料類をはじめ、町並の形成に関わる史料類を収集し、地割、道、水路等について、分析を行った。

2)町並と建物の概要

街道に面する町並の現状把握と記録保存のため、町並の連続写真を撮影した。また、町並に面する建物の構造、建築年代等の把握を行った。更に市場庄の町並景観の特色や問題点を把握するための、景観写真撮影を行った。

3)建築調査

町屋をはじめ、寺院、公会堂など市場庄の主要建物の実測調査を行い、平面図、立面図、断面図、配置図等を作成した。また、写真撮影を行い、住まい方等について聞き取りを行った。町屋については、市場庄との比較のため、小津、六軒の町屋についても実測調査を行った。

 

4.調査組織

本調査は(財)日本ナショナルトラストによって、平成九年度の観光資源保護調査として行われたものである。調査の企画調整は以下の調査委員会と事務局を組織して行った。また、調査実施に当たっては地元の前田、米本委員及び下記の地元協力

 

 

 

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