2-4 景 観
1) 地 形
景観の骨格となる地形の特徴は、眺山丘陵の主稜線から南東に延びた数本の枝尾根が、手のひらを広げたような格好になっており、舞台山の水系を中心に、丘陵の主稜線と枝尾根が対象地域をぐるりと取り囲むというかたちで全体が構成されている。
対象地域の最高海抜は約293mで、山麓との高低差は70m程度と小さいが、谷の侵食が進んでいるために斜面勾配が急な部分が目立つ。しかし、谷底の周辺は土砂などの堆積による緩やかな地形が多く、中腹にも棚状の緩斜面が随所にみられる。全体としては立体感のある変化に富んだ地形といる。
このまとまとりのよさと地形的なバラエティーは山岳のミニチュアのようなおもしろさがあり、当地域を生かすうえで格好な条件となっている。
2) 里山の景観
眺山丘陵の自然は、アカマツの純林あるいはアカマツを交えた雑木林、湿地林、湿原、溜池など構成されている。人里に接するこれらの自然は、生活の糧として利用できる部分に人手が加えられ、その糧を継続的に確保できるよう、管理することによって維持されてきた。このような、原生自然とは異なる、人の温もりが伝わる自然こそが里山の典型的で身近な景観といえる。
特に、里山景観の中心をなすアカマツ林は、良質なマツタケを産出することからよく手入れされており、なかなかの美林である。