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さて、具体的にCO2の排出について見てみましょう。国によって、運輸部門がCO2の排出量に占める割合というのは違っています。20%という国もあれば、40%を超えている国もあります。例えばフランスの場合ですと40%を超えておりますが、これはフランスにおいて原子力がかなり発達しているからです。日本ですと20%となっております。今度は国民1人当たりの排出量を見てみましょう。先進国は、交通輸送手段に関しては大体1人当たり2トンのCO2を排出しているということがわかります。アメリカ、カナダ、オーストラリアは例外でありまして、こういった国々におきましてはもっと排出量が増えております。一方、燃費についてはどうでしょうか。ヨーロッパについてまず見てみますと、1980年から86年ぐらいまでは、西欧においては改善が続いているわけですが、その後、少し悪くなっています。技術が改善され、車の技術がよくなったにもかかわらず、消費者は車のより高い性能、快適性、安全性、あるいはもっとさまざまな機能を求め、結局、それが車の方には負担がかかり、燃費の方は犠牲になってきたわけです。この傾向というのは、恐らく日本も同じようなものではないかと思われます。さて、ここでお見せいたしますグラフは、もしこのままの状況が続いたらどうなるかということを示しています。すなわち、交通輸送手段について何も変わらなかった場合と京都の方で我々の目標が実現された場合とを比較しております。目標が点線で示されております。現在は、交通輸送手段というのはCO2の排出の27%を占めているわけですが、シナリオが変わらなければ、恐らくは排出量の約半分がこの交通輸送手段によって占められることになります。ということは、問題はますます深刻化することになります。

 

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