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5.5 昇降路の構造

 

5.5.1. 駅用エレベーター設備に求められる昇降路(エレベーターシャフト)の構造

駅用エレベーターのシャフトサイズは、旅客流動の安全上、できるだけコンパクトな形状寸法が求められる。特に本委員会で開発を行う駅用直角二方向出入口タイプの駅用エレベーター本体は、電動車いすの自走による転回をエレベーター内かごのモックアップにより検証した結果からも、そのコンパクト化には限界があることが判明している。そこでエレベーター本体の開発と同時に、シャフト自体も在来工法とは異なる考え方でのコンパクト化をめざした新たな工夫が要求されることとなる。さらに既存駅に設置し易いことを条件に加味すれば、エレベーターシャフトに求められる構造は次の条件を満たすことが望ましいこととなる。

(1)構造体ができるだけスリムであること。

(2)搬入条件が悪い場合は簡単な道具を使用した人力による搬入も可能なこと。

(3)ホーム及びコンコース部分になるべく外部足場安全柵等の旅客の流動を妨げる設備を必要としないこと。

(4)施工に要する工期をなるべく短縮できること。

(5)在来工法に比べて全体的なコストは総合的に判断して妥当なものであること。

(6)駅用直角二方向出入口タイプの駅用エレベーターのみならず、一方向あるいは貫通二方向出入口タイプの駅用エレベーターにも応用可能なものであること。

 

5.5.2 昇降路の鉄骨ユニット化

前項に示す条件を満たすものとして短期間で開発を行うこととすれば、剛性の高い面フレームを鉄骨で製作し、これを積み上げる方式が最も適していると考えられる。具体的にはエレベーターシャフトを分割し運搬可能なサイズ、重量とした鉄骨による単位ユニットをあらかじめ仕上げ材と一体に精度よく工場製作し、現場に搬入して積み上げ、ボルトを使用して内部から作業を行い一体化してエレベーターシャフトを構成する方法となる。

エレベーターシャフトの構造体の外法寸法は、内かごから要求される必要最小限寸法(1.8m×1.8m)に構造体の最小厚さを加えたもので決まる。構造計算によって安全性を確かめた結果、構造体の最小厚さは10.0cm(L-100×100を主材とする。)となり、開発エレベーターシャフトの構造体外法寸法は、2.0m×2.0mとなった。仕上材はスチール又はステンレスを標準とすれば、補強材を加えても、1.0cm程度となり、これを平面図に示したものが図5-3である。

 

 

 

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