総括
東京都立大学大学院工学研究科
専任講師 秋山 哲男
ここ何年か、バスの環境、バスの交通条件は非常に大きな変動がありました。しかし、1997年にノンステップバスが開発されて、どうもここにポイントがありそうだ、ノンステップバスで間違いなさそうだという雰囲気を今日感じられたと思います。
東急バスさんの調査では、30%の人がノンステップバスを利用することによって利用機会が増えたと答えたようです。そういう結果が出ていました。私もその30%の1人として回答いたしました。多くの人がそう思い、だれもが間違いないだろうと思っているんですが、果してそうだろうかという疑いももう一方で持っておいたほうがよろしいかと思います。
なぜなら、これからいくつか努力を払わなければならないだろうと思います。その1点目が技術開発の努力です。その一つの視点は人にやさしいということ。二つ目が他の技術開発とバッティングする部分をどうクリアするか。先ほどの低公害車などはその部分だと思います。こういった部分をどうするか。
二つ目に重要なことは、新しいルールづくりです。お金が余分に出費することはほぼ間違いがなさそうです。それをだれがどのように負担するのか。税金で負担するのか。メーカーの企業努力なのか。それとも別の方法でやるのか。これがまさに知恵の絞りどころだろうと思います。英国で国際会議があったとき、「アクション・インツー・アイディア」と言葉がございました。負担をめぐる問題と技術開発をめぐる問題に我々の知恵をどうやって発掘していくかということが最大のポイントだろうと思います。これから全く想像しないようなルールづくりだとか、協定だとか、負担のあり方を巡る議論が出てくるだろうと思います。そういった変化に対して皆さんの頭も柔軟にしていただきたいと思います。
お三方はおそらくノンステップバスは間違いない。これからいくつかのハードルをどう越えるかだということをおっしゃっていたかと思います。
以上でまとめに代えさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。