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ただいまご紹介をいただきました、 熊本市交通計画課の吉野でございます。 本日は熊本市におきます公共交通機関の活用事例について都市交通の現況も踏まえながらご紹介をさせていただきたいと思っております。 まず始めに熊本市のご紹介でございますが、 九州の中央に位置しておりまして、 人口が約65万人。 九州におきましては福岡市、 北九州市に次いで3番目の人口規模でございます。 熊本市の都市的な発展と共に市街地が郊外の方に広がっておりまして、 周辺の6町を含めましたいわゆる熊本都市圏の人口が約78万人と、 膨張を続けております。 それに伴いまして、 市中心部におきます交通混雑がますます深刻化している状況にありまして、 さらに混雑個所も郊外に広がって来ているということで大きな社会問題になってきているという状況にございます。 この交通混雑の悪化と申しますのは都市内におきます単なる交通問題というようなものではなくて、 近年は地球環境汚染といった環境問題として広く捉えられて来ている状況にございます。 そこで熊本市におきましては昭和63年に全国に先駆けまして、 熊本市環境基本条例を制定いたしましたところでありまして、 それに基づきまして平成5年に熊本市環境総合計画を策定いたしまして、 環境に優しい都市づくりを現在推進しているところでございます。 本日は環境に負担をかけない交通ネットワークの整備の一環ということで熊本市におきます公共交通機関の活用事例についてご紹介をさせていただきたいと思います。 それではお手元の資料に沿ってご説明をさせていただきたいと思います。 まず都市交通の状況でございますけども、 平成6年と10年前の昭和59年とを比べますとここ10年間で市内の4輪自動車の登録台数が1.6倍に伸びておりまして道路整備には努めてはおりますが、 なかなか自動車交通の需要に道路整備が追いつかないというような状況にございます。 このことによりまして、 市街地中心部が飽和状態に近いということ、 さらに交通混雑個所が外側に広がっているというようなことで、 主要渋滞個所が、 市の中心部の周辺のみならず東部南部方面にも広がっているということで、 かなり広域化して来ている状況にございます。 次に、 熊本市におきます利用交通手段の構成を見てみますと、 資料がちょっと古くて申し訳ないんですが、 昭和59年の第2回PT調査の現況でございます。 手段別構成は自動車が43%を占めておりまして、 大多数が自動車ということになっております。 反面、 鉄道が0.9%で路面電車とバスを合わせて7.7%。 いわゆる公共交通機関のシェアが8.6%しかないということで、 東京や仙台などの大都市に比べまして非常に自動車交通に依存した形になっております。 そこで、 公共交通機関の利用の状況を見てみますと、 交通混雑が年々ひどくなって来ているという中で定時性、 軌道系の定時性が見直されておりまして、 また更に鉄道新駅を作ったり運行頻度を上げたりというようなことでかなり向上策を取っておりますので鉄軌道は少しづつ利用者が伸びている状況にございます。 反面、 自動車とバスが一緒に走っているという状況の中で、 バスが混雑に巻き込まれて、 その利用者は依然と減少傾向を続けているという状況にございます。

 

 

 

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