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農山漁村の暮らしを体験する

グリーン・ツーリズム

五番目として、グリーン・ツーリズムともいいますが、農村観光があります。主に都市住民を対象に、農山村を舞台にして展開される観光です。ただし、わが国ではまだなじみが薄く、グリーン・ツーリズムの概念の定義はまだまちまちです。むしろ、農村観光といったほうが適切かもしれません。

これは、従来の大規模開発型のリゾート構想への反省から生まれた農山漁村型の、いわば田園リゾートというべきものです。自然のゆたかな農山村を中心に、地元の人が主体となって手づくりのサービスを提供し、都市と農山村との交流をとおして地域の活力を維持しようとするものです。

それぞれの農家は、農地や牧場をもっていたり、農家民宿を経営しています。自分の土地で収穫した作物、チーズやソーセージなどの手づくり加工の食品を宿泊客の食事として提供したり、手づくりの工芸品をおみやげとして販売したりします。乗馬やカヌーができたり、農作業の一部を体験させたり、果物などの観光農園を併設している場合もあります。

農村観光は、ヨーロッパのドイツやフランス、北欧、オーストラリアなどで盛んですが、わが国でも北海道や岡山県をはじめ、各地で徐々に盛んになる動きがみえています。

こうしたエコ・ツーリズムは、21世紀にかけて今後ますます、内容・種類とも充実するものと考えられます。ご清聴をありがとうございました。

 

 

 

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