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長谷川:

今の、北條先生のおまとめで、ある意味で今日のまとめにつきてるようにも思います。

最初に、丸山先生のスライドの中に、それから丸山先生、大変強調された言葉で「人・物・社会」という言葉がございました。今までは、ややもすると、こういう、特に環境問題とか交通問題っていうことが、かつては加害者と被害者が大変ある意味でははっきりしておりまして、そして被害者が加害者を批判する、あるいは告発するという在り方だったと思うんですね。

しかし、この地球環境問題っていうのは、色々の特徴を持っておるわけですけども、いわば誰もが加害者であり、誰もが被害者であり得ると。この交通安全の問題もそうなんですけども、交通安全と環境問題については、いわばある意味では加害者も被害者もいないと。いい換えると皆加害者的であり皆被害者的だと。

大槻さんから、自転車が必ずしも安全じゃないっていう、自転車の乗り方についてもお話がありましたけども、歩行者自身も、道路交通法っていうのは歩行者には適用されないわけでありますけども、しかし、歩行者も歩行者としての責任があると思うんですね。自転車に乗る人にも当然であります。

もちろん、自動車を乗る人がとりわけ交通安全については最も加害者的な立場ではありまして、かつそのドライバーとして責任とマナーっていうことが一番大事なわけでありますけども、この交通安全の問題にしろ、環境問題にしろ、私たちがいわば、先程丸山先生のスライドの中で、「他者配慮」ということがあったかと思うんですけども、こういう他者を配慮すると、そしてその他者というのは、目に見える他者だけではなくて、実は、大石さんのお話の中で「地球環境問題っていうのは私達の孫の時代の問題なんだ」という言葉がありました。

いわば、その今議論しておりますのは、2010年にどういうふうに二酸化炭素の排出量を削減するのか、それから2050年はどうなっているのか、それから例えば2100年にはどういう深刻な状況になるのかということが今議論されているわけであります。

そういう意味で、私たちは、未来の世代にどういう地球を手渡すのかということを、それがいわば未来の世代が思い切って急ブレーキをかけざるを得ないような、あるいは、未来の世代が本当に今回のポスターにありますような、地球が大変重傷になりまして、ベッドに地球が横たわっているようなそういう地球を渡すのか、どういう地球を未来の世代に手渡すのかということが、今私達として問われているわけであります。

炭素税・環境税についての考え方も色々なご議論があるんですけども、世論調査の結果なんかを見ますと、今、入間田さんからも紹介がありましたけども、一般市民はやや消極的でありますけども、確か8月の末に発表された、あるいは9月始めでしたでしょうか、朝日新聞かなんかの世論調査を見ますと、むしろ企業の方が、この炭素税なんかについてはむしろ積極的になっております。

そういう意味で、私たち一般市民も、負担が増えるのは困るという今までの発想で果たして

 

 

 

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