1.事業の概要
1-1. 調査手順
まき網漁業における作業標準を策定するにあたっては、動作の分析が必要であると考えられる。しかし、過去に漁ろう作業のエネルギー消費量等を研究したものはあるが、動作の分析を行った研究はない。そこで、今回は陸上の生産現場で用いられている時間研究法を参考に、漁ろう作業毎に動作を細かい要素に分類して解析を試みた。その内容は、要素動作毎の頻度を算出するとともに、時系列で動作の変化を解析するものであった。
平成9年10月に、まき網漁業の網船1隻(操業2回)、運搬船2隻(操業3国歩、合計3隻(操業5回)に調査員が乗船し、漁ろう作業をVTR装置に記録し、動作パターンの分析を行った。
方法としては、MTM(method time measurement)を参考に、作業を基本(要素)動作毎に分析するものであった。また、操業時人員配置分析、及びレイアウト分析を行い、その結果を踏まえて作業標準を作成した。
1-2. 実施内容
茨城県波崎町所属 操業海域 波崎沖 日帰り操業
(網船80総トン型1隻 乗組員22名、運搬船200総トン型1隻、乗組員9名:2日乗船操業1日)
乗船日 平成9年10月16〜17日
鳥取県境港市所属 操業海域 山田県見島沖 周月操業
(運搬船300総トン型1隻 乗組員10名:7日間乗船 操業2日)
乗船日 平成9年10月27〜11月2日
1-3. 人員配置
まき網漁業を工程順に人員の配置を表した。
まき網漁業の特徴として、船団においては全ての指示を原則的に漁ろう長のみが行っており、船により漁ろう長が絶え間なく全ての指示を出す場合と、漁ろう長が作業の切り替えタイミングだけを指示し、あとは現場で役付船員(補佐役)が指示する場合がある。
それ以外の指示としては漁ろう機器を操作する甲板長等の役付船員が細かい指示や、未熟練船員に対して指導を行う場合があるが常に行われているとはいえない。そのために、人員配置表を作成するにあたり、総指揮としては漁ろう長のみで、操船をする船長、機械の操作と現場での指導者として機器操作者を配置しているが、その他の役職の場合は船毎に役割が変わり、(例 漁ろう機器の操作は甲板長の場合もあれば、通信長の場合もある)単に役付船員、作業員として表示した。