日本財団 図書館


新年のごあいさつ

002-1.gif

新年明けましておめでとうございます。

社団法人瀬戸内海小型船安全協会の会員の皆様方におかれましては、輝かしい新年をお迎えのことと心からお慶び申しあげます。

昨年の海上における出来事を思い返してみますと、年明け早々に日本海において発生したナホトカ号の原油流出事故、7月に東京湾において発生したダイヤモンドグレース号の原油流出事故など海洋汚染を伴う大型の海難が相次いだことが頭に浮かびます。幸いにも瀬戸内海におきましては、この種の大規模な海難が発生することがなかったわけですが、風光明媚なこの瀬戸内海の美しい海を守るためにも、このような海難を今後も防止していかなければならないと、改めて決意する次第であります。

さて、プレジャーボート関係についてみますと、第六管区海上保安本部が管轄する海域では、プレジャーボート等小型船の海難の発生が例年同様に多く発生し、全海難事故の約三割を占めている状況にあります。

昨年の事故事例の中には、夕方、遊漁を終え帰港途中、湾口付近で、工場群の灯に気をとられ見張りを怠り、速力二十ノットのまま灯浮標に衝突し、船長以下三名が負傷するという海難やプレジャーボート同士が高速で衝突し、船長が死亡した事故もありました。

このような海難のほとんどは、当事者がちょっと注意を払えば防ぐことが可能な事故であります。私どもは、プレジャーボート等小型船を使用される方が、出港前の整備点検、気象海象に対する注意、救命胴衣の着用、安全な速力、見張りの励行など基本的なことを実践され、安全運航を心掛けるよう願っております。

また、海にも海上衝突予防法をはじめ、船に関する各種の法令がありますが、このようなルールを守り、さらに海のマナーについても正しく理解し、かつ、自然環境について配慮し、海を大切にするよう心掛けていただきたいと思います。

プレジャーボート等の小型船を取り巻く環境は、年々変わってきております。岡山県では、既に、プレジャーボート等小型船の係留について届出制度が実施されておりますし、広島県でも港湾や河川に係留されているプレジャーボート等の適正な係留保管対策について条例化が検討されております。これらの動きを把握し、適切に対応する必要がありますし、これらの検討に貴協会がユーザーの団体として関与していくことも必要であると考えております。

当管区本部は、これまでにも増して、貴協会と密接な連携を図りながら、プレジャーボート等小型船の海難防止活動を積極的に推進するとともに、貴協会の行う各種の安全活動に協力していく所存であります。

新しい年が貴協会にとって、飛躍と発展の年となりますよう、また、貴協会会員の皆様方のご健康とご多幸を心から祈念しまして、新年のあいさつといたします。

002-2.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION