プレジャーボート等の海難
第六管区海上保安本部 航行安全課
I 海難発生状況
1 要救助船舶隻数
平成八年に瀬戸内海・宇和海の第六管区海上保安本部管内において、救助を必要とする海難に遭遇した船舶は、282隻で、このうちモーターボート、ヨット等のプレジャーボート及び遊漁船(以下、「プレジャーボート等」という。)の海難は、100隻(前年108隻)で、船種別では最も多く、全体の海難の36%を占めています。
2 船型別発生状況
プレジャーボート等の海難を船型別にみると、モーターボート37隻(13%)、和船型ボート36隻(13%)、ボー卜8隻(3%)等となっています。
3 海難種類別発生状況
プレジャーボート等の海難を種類別でみると、機関故障27隻(27%)が最も多く、次いで衝突26隻(26%)、乗揚げ11隻(11%)等となっています。
4 海難発生原因について
プレジャーボート等の海難を原因別でみると、見張り不十分28隻(28%)、機関の整備不良(17%)、気象・海象の不注意8隻(8%)等となっています。
II 海難事例について
これまで起きたプレジャーボートの海難事例は次のとおりです。なお、当管内で発生したものではありません。
? 見張り不十分による乗揚げ海難
モーターボート「A号」船長は、市内で飲酒の後、友人2人で出港した。航行中噂話に夢中になり、周囲の見張りをしていなかったため、洗岩に乗揚げた。その際、船長は計器盤に頭を強く打ちつけ死亡、同乗者は腰を強く打ち負傷した。
? 操船不適切による衝突海難
ヨット「B号」は、レース終了後、定係地に帰る途中、乗員全員が帆の片付けに夢中となり、周囲の見張りを怠っていたため、錨泊して釣りをしていた和船形ボート「C号」と衝突した。衝突により「B号」同乗者1名が負傷した。
? 操船不適切による転覆海難