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第4章  海洋気候の長期変動解析

 

4.1 概要

 

第4章では前章で作成したQC済みKoMMeDS-NFとCOADS.MSTGとを併せた海洋気候データセットを用い、海洋気候の長期変動解析を行う。

まず、気候シグナルの検出には不規則誤差や系統的誤差等の除去あるいは考察が不可欠であることから、これらの誤差(ノイズ)についての検討を行う。次に、今世紀最大のエルニーニョ現象が発生したことに因んで、過去のエルニーニョ現象発生について考察を行う。そして、最後に海洋気候の長期変動解析を行う。

 

4.2 不規則誤差の算定

 

COADSの月平均値には、1ヶ月及び2度BOX内での日々の観測データの時間的・空間的非一様性に起因する不規則誤差が介在し、これらの気候ノイズは構造関数を利用して算定できる(気象庁、1993)。

月平均偏差をTとすると、比較的時間スケールの長い組織的に変化する成分TLと気候ノイズεの和として表せる。

061-1.gif

2度BOXの時系列データにおいて時間差Δtに対する構造関数 は、S(Δt)は、

061-2.gif

 

ここで、over barは時間tに関する平均を示し、TLとεとの間及びεtとεt+Δtとの間には相関はないものと仮定している。

時間差0の極限では次式によりεが算定できる。

061-3.gif

 

山元(気象庁、1993)は、1950年〜1987年までの38年間におけるCOADS.MSTGのデータから、1951年〜1980年の30年平均を平年値として、不規則誤差(気候ノイズ)を算出している。本研究においても山元と同一の条件で不規則誤差を算出してみたのが表4.1である。

 

 

 

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