次にKoMMeDS-NFとCOADS.MSTGの1890年〜1932年の全データについて、各要素の北太平洋海域別分布図を作成し、図3.14〜19に示した。ここでは2度BOXのデータを周囲の緯度経度6度の範囲で平滑化した。その際最大9個の2度BOXデータの内、最大値、最小値を除いて平滑化計算を行った。
図3.14、15によると、海面水温及び気温の分布はKoMMeDS-NFとCOADS.MSTGとはよく類似しているが、日本付近やオホーツク海の分布がやや異なっている。ただし、KoMMeDS-NFのデータが1915年前後に集中しているのに対し、COADS.MSTGは対象期間中まばらに存在するので絶対値レベルの両者の比較は厳密には行えない。
風の分布は、北太平洋北部や台湾付近の強風域が双方に認められる(図3.16)。風速成分については高緯度は西風成分、低緯度については東風成分が卓越しており、風の一般場を的確に表現している。さらに、アメリカ西海岸からメキシコにかけての西風成分域も双方ともに分布が一致している(図3.17)。
海面気圧については、KoMMeDS-NFに比較してCOADS.MSTGのデータ数が少なく、とくにハワイ以西の北太平洋西南部の海域についてはCOADS.MSTGで表現できていない。それに対してKoMMeDS-NFのデータはその海域においては比較的充実しており、当海域の気圧分布を説明している。また、COADS.MSTGではベーリング海で気圧が高くなっているが、KoMMeDS-NFでは当該海域で低くなっており、妥当な結果を示している(図3.19)。
なお、巻末資料に季節別の分布図を示す。
以上のことより、KoMMeDS-NF、COADS.MSTG共に十分なデータ数のある海域では2つの海洋気候データセットは同様の結果を示し、KoMMeDS-NFの妥当性が確認された。