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は し が き

 

気候変動に関する国際連合枠組み条約第3回締約国会議(COP3)が昨年12月、京都で開かれました。この会議では2000年以降に取るべき二酸化炭素排出量の抑制・削減に関する数値目標、政策、措置等が議論され、これらを規定する議定書が採択されました。この会議に示されますように地球温暖化に代表される気候の変動および地球環境問題は、国際的な政治の舞台に上りつつあります。これは過去の外交史上において、かつてなかったことと言われています。

COP3に合わせて、笹川平和財団の後援および世界気象機関の協力により、気象庁と日本気象協会が「気候変動の監視・予測及び情報の利用に関する国際ワークショップ」を神戸で開催しました。この会議では、本事業が電子化を実施している「神戸コレクション」は気候変動にとり、大変重要なデータであるとの評価がされています。この会議が発表している「神戸ステートメント」の中では「気象観測、観測データの品質管理及びその保存を確実に行うことが必要であり、確度の高い気候情報を政策決定者をはじめ研究者や産業界のみならず、広く一般に対しても、積極的に公開・提供することが重要である」としています。

一方、気候変動の要因は十分に解明されているとは言えず、科学的な調査研究が最優先の重要課題の一つであると言えます。これには過去から現在までの気候の実態を調査し把握すること、そして、これらの変動を正確に予測できるモデルを作成すること等が重要な課題であると考えられます。

本事業では、民間船舶の協力の基に神戸海洋気象台に収集・蓄積されてきた、1890年から1960年までの船舶海上気象観測データを電子媒体化して、海洋気候の変動を把握することを目的としております。これにより海難を防止し、安全な航行を支援すると同時に、地球温暖化に関連した海運活動や海洋土木活動のあり方を検討するうえで、重要な基礎資料を与えるものと期待されます。

この研究は日本財団の平成9年度補助事業を受けて実施したものであります。研究を推進するにあたり、ご指導を頂きました委員の方々に厚く御礼申し上げます。

 

平成10年3月

財団法人 日本気象協会

会長 町田直

 

 

 

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