(未解放の観光資源の整備、解放、アトラクションの発掘、土産物の開発)が必要であること。
? 空港の整備に比べて航空路線網の拡大、フライトサービスの充実(数日に日1便とか、季節限定のフライトが多い)等が遅れており、予約、旅程の自由が著しく制約されること。
? 鉄道の施設整備が輸送需要に追いつかず、輸送容量が不足し、観光客(特に外国人旅行者)の用に供する余地がほとんどないこと。
? 土産物がどこに行っても同工異曲で魅力に乏しいこと。ギリシャやニューヨークのメトロポリタン博物館の例に倣って、魅力的な展示品のミニチュアを作るのも一法かと思われる。現に陝西省博物館の展示物のデザインは極めて魅力的です(スライド―20,21,22)。これらのミニチュアであれば私も買って帰りたいと思います。
? 博物館はせっかく貴重な収納品を所蔵していながら、展示、案内が不備であり、また、撮影禁止と言いながら、ブローシャー、絵葉書、スライド等が用意されれていないこと。
? シルクロードらしい特色ある食事の工夫がなされていないこと。敦煌では刺身を出されて愕きました。いくら日本人でも敦煌で刺身を期待してはいないはずです。
? シルクロードならではの民俗芸能の発掘、提供の努力のが不十分であること。メキシコでは民俗芸能の専用の国立劇場があります。その演物の一部を紹介します(スライド―20,21,22)。
? シルクロード一体は極めて乾燥しており、鼻血が出たり、皮膚が異常に乾燥して痒くなったりとたりという症状が出ることが少なくないこと。
(4) 今後の展望
これまで2回にわたって陝西、甘粛両省の現地調査を行い、10年前に比べてシルクロードの旅行・観光を取り巻く環境要件が著しく改善されてきていることが明らかとなっています。
このような状況を踏まえれば、改善されなければならない点は少なくありませんが、通年観光、周遊観光が可能となり、婦女子でも容易に楽しむことの出来る観光地となる日も遠くないのではないかとと感じています。
中国内のシルクロードは7,000?にわたっており、この全域にわたる観光開発が進むことは、中国外のシルクロード諸国(中央アジア、イラン、トルコ、中東諸国など)の今後の観光開発に大きな影響を及ぼすものと予想されます。また、中国でのWTOシルクロード・フォーラムでも、中国のシルクロード開発に対する積極的姿勢が高く評価されたことから、中国におけるシルクロード旅行のあり方についてとりまとめることは極めて重要な意義を有しているものと考えています。
【スライド一覧】
1. 年間海外旅行者数の推移
2. 目的地別海外旅行者数
3. 主な海外旅行の目的地
4. シルクロード要図
5. 春節の踊りの練習(華清池)
6. 春節の踊り(白塔山公園)
7. 河倉城(玉門関)
8. 砂漠の草花(タマリスク)