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あなたの消防英語

 

自己啓発の窓 ――行政罰――

1 行政罰の意義

行政上の義務の不履行に対し、これを強制的に実現する行政上の強制執行制度は、行政上の義務のうち非代替的作為義務や不作為義務については一般的に認められてないなど、現行法上は一般的に承認されているわけではない。しかし、義務の不履行をいたずらに放置しておけば行政目的の実現は難しくなる。

そこで、法は行政上の義務違反に対し制裁として不利益を課し、その威嚇作用により義務の不履行の防止を図ろうとしている。このような行政上の制裁の中で、最も一般的なものが行政罰である。

2 行政罰

行政罰とは、行政上の義務の違反者にたいして、一般統治権に基づき制裁として科す罰をいう。これは、形式的には過去の義務違反者に対する制裁であり、将来に向かって義務の実現を図ろうとする強制執行とは異なる。しかし、実質的には行政上の義務の実現を間接的に強制し、その確保を図ろうとするものであり、機能からは行政上の強制執行を補完するものといえる。

行政罰は、刑罰と秩序罰とに大別される。

 

〈英文例〉 あなたの消防英語

[Home Fire Inspection]

 

1 Do not keep hazardous materials, newspapers and other combustibles around the house.

2 Have you discussed among the family where you take refuge in case of a disaster?

3 If you have questions or want to seek counsel, please visit our fire station.

4 If you have an elderly person or a sick case, have him or her sleep near the first floor entrance.

 

ミニ知識 ―地方自治用語―

行政改革

行政機構を根本的に改めることをいう。一般に、社会生活の複雑化にともなって、行政機能は不断に拡大する傾向を持つが、これに対して行政機構はいったん設けられると、固定される傾向をもつため、機能の変化に対応しがたくなる。そこで、機能の変化を円滑に進行させるためには、行政機構をくり返し再編成する必要がある。行政国家化が進行する過程で、行政改革が再三試みられてきた理由はここにある。

 

編集後記

★ 今月号では、特集シリーズ「火災をめぐる法律責任の諸相(後)」を'97.10号に続き3回目として掲載いたしましたが、今回で終了となります。

身近な問題を分かり易く執筆していただき、皆さんの業務の参考にしていただけたと思います。

★ 長野オリンピック開催に伴い、長野市消防局をはじめとする関係消防本部職員の皆さん、開催前から閉会までの長期にわたる準備及び警戒、大変ご苦労様でした。国際イベント開催を成功に導いた「日本の消防」の力を、改めて実証することができたと思います。

★ 「海外コラム」は'90.3号から偶数月に掲載してまいりましたが、今回を最後に終了いたします。長い間のご愛読、ありがとうございました。

なお、次回からは「海外消防情報」として、海外情報に関する内容を更に充実させ、お届けいたしたいと思いますので、よろしくお願いします。(野崎)

 

 

 

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