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消防最前線

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火災

給油取扱所の荷卸中の火災

人吉下球磨消防組合消防本部(熊本)

 

はじめに

当消防本部は、熊本県の最南部に位置し、人吉市・錦町・相良村・五木村・山江村・球磨村の1市1町4村で構成されている。

地理的には、南九州の3県庁所在地(鹿児島・宮崎・熊本市)のほぼ中心に当たり、南は宮崎・鹿児島両県に接し、管内のほぼ中央を南北に九州自動車道が貫き、広大な山間地に囲まれた盆地で、管内の人口は約7万人、管轄面積は971.83k?uその大部分が山間地を占めている。人吉市の中心部を東西に日本三大急流の1つ球磨川が貫通していて、別名「九州の小京都」と呼ばれている。

消防体制は、1本部・1署・4分署所、職員数100人で住民の生命と財産を守るため日夜消防業務を遂行している。また、平成9年7月には、九州で初めての赤バイ(5台)隊を発足し、災害初期の情報収集や捜索等に活動している。

今回紹介する火災事例は、当消防本部では初めての特異な火災である。

給油取扱所の地下タンクへ、移動タンク貯蔵所から灯油を荷卸中に、さらにガソリンの荷卸するためタンク上部の底弁バルブを開いた。この時、注入管を注入口及び吐出口に緊結せず吐出口が開いた状態であったため、約710lガソリンが流出し、ガソリンの蒸気に洗濯機のタイマーの火花が引火(推定)した火災である。この火災で移動タンク貯蔵所と給油取扱所の一部を焼損し、給油に来ていた乗用車の運転手が火傷を負った。

1 給油取扱所の概要

設置許可 昭和47年5月18日

(平成7年10月に全面改装)

敷地面積 959.6?u

建築面積 436.57?u

従業員数 6人

2 火災概要

(1) 出火日時 平成9年7月15日(火)

13時14分頃

(2) 出火場所 熊本県球磨郡錦町大学西

(3) 覚知時刻 13時16分

(4) 鎮火時刻 13時17分

(5) 気象状況 天候晴、風向西、風速5.9%、気温30.2℃、相対湿度52.4%

(6) 死傷者  男性1人・重症

(顔面・頸部・上下脂?U度熱傷)

(7) 物的被害 給油取扱所建物部分焼損

計量器 2基焼損

移動タンク貯蔵所(20kl)

キャビン部焼損

移動タンク貯蔵所(2kl)

一部焼損

普通乗用車1台(全焼)

普通トラック1台(部分焼)

(8) 損害額   580万円

(9) 原 因   流出したガソリンの蒸気に、洗濯機のタイマーの火花が引火(推定)

3 出動車両及び人員

(1) 出動車両 化学車 1台

タンク車    1台

ポンプ車    1台

指揮車      1台

司令車       1台

高規格救急車   1台

消防団積載車   12台

消防団可搬ポンプ 12台

(2) 出動人員 消防職員 16人

消防団員    150人

4 付近の状況

現場は、錦町西地区の中心部で、国道21

 

 

 

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