代の初代である清衡公生誕の地であり、NHK大河ドラマ″炎立つ″のメインロケ地として知られるようになった『えさし藤原の郷』は、栄華を極めた往時の平安建築を、35億円余りを投じ忠実に再現した、壮大な歴史公園である。
消防体制は単独消防で1本部・1署、職員数35人、一方、消防団にあっては1団本部・10個分団で、団員数は県内有数の891人で組織している。
江刺市は、『災害の無い住みよい郷土』づくりを合言葉に、防火防災は勿論、交通災害についても、全市民一丸となって災害防止に努めているが、ここで紹介できるような災害事例は最近ないので、平成5年から岩手県内の医療機関・保健所・消防機関等が合同で展開している「県民自身による心肺蘇生法普及事業」の当本部における活動状況について紹介する。
1 救命効果の向上に向けて
当市は、高齢化率が24.3%と非常に高く、県内でも高い位置となっていることと、農山間部から市街地への住居移転による核家族世帯の増加に伴い、独居高齢者世帯の増加が憂慮されている。
一方、平成8年中の急病による高齢者の救急搬送患者は60.2%にも及び、そのうちの10%弱の患者にはCPRを実施している状況である。これに加え、覚知から現場到着するまでの平均所要時間は10分程となっており、これは消防署が市内西南部に位置しているため、山間地域へは20分程を要することもあり、地理的な要件も救命の難しさを痛感しているところである。
これら救急患者の発生場所の多くは、一般家庭内で発生しており、救急車到着までの空白域をカバーするためには、第1に家族や近隣の住民等、バイスタンガーの応急救護が重要となり、我々救急隊員とともにプレホスピタル・ケアを充実することが、救命効果を向上するために非常に高い効果が期待されるものであることは、言うまでもない。
これらを踏まえて、この心肺蘇生法普及事業の主眼を成人及び中高生を対象として完全実施すれば、市民の1.6人に1人が心肺蘇生法を修得することになるので、普及事業の第一段階として、まず、消防関係者自身から普及展開することとして、消防団員と婦人消防協力隊員を対象に警戒区域ごとに10箇所で実施した。
また、各種事業所及び婦人部会、、更に各地区保健委員等を指導しており、婦人消防協力隊員にあっては「家族の健康(生命)は、私たちが守る」、「私たちは、家庭の防火管理者」をスローガンに活動しているので、1度の受講では蘇生法を施さなければならない現場に遭遇した場合、不安であるとのことから、再講習を実施した。
さらに小学校、幼稚園児の父兄の方々には、子供たちが水遊びをする季節に入る前に指導を行い、これによる市内の受講者総数は、平成8年度と平成9年7月末現在で1,683人となり、受講者総数では目標対象者の13人に1人が受講したことになり、今後も機会あるごとに指導を行い受講者の拡大を図っていきたい。
前述のように、高齢化が進んでいることもあり、現在、大規模かつ先進的な社会福祉ゾーンを建設中で、在宅療養者救急等の問題点も