日本財団 図書館


残っていたが、周囲の装置を冷却し、窒素を発災装置内へ置換しながら残油は燃え尽きるのを持った。そして、発生から6時間15分後の3時50分に鎮火した。

5 今後の課題

本爆発火災は、幸いにして、死傷者がいなかった。この事故をコンビナート地区災害の今後の警防活動に活かすため、火災防ぎょ活動の検討会を実施し、その結果、

(1) 出動隊は、発災現場に到着する間に戦術等について考慮する必要があることから、発災事業所は、第2報、第3報で具体的な情報を提供する必要がある。また、消防の通信担当者は、当該事業所から通報がない場合は、積極的に情報を収集し、出動隊に詳しい情報を送る。

(2) 製油所における火災等は、装置の運転状況、取り扱っている物質(ガス、油等)の状態や緊急操作等の進捗状況等を確認した上で、安全で且つ効果的な部署を選定する。

(3) 製油所における火災時には、火炎にあおられている周辺の機器への冷却に重点をおき発災装置へのブロック操作や脱圧が完了したことを確認後消火する。

充分なるガス圧を残したまま消火した場合未然ガスが漏洩し二次災害のおそれがある。等が確認された。

6 まとめ

今回の、爆発火災を踏まえ、通報システムの確立、製油所内高所に設置された放水銃を遠隔操作できるように改善した。

製油所内の装置火災には、多種多様な化学物資やガス等の漏洩が予想される事から知識技能を身につけるとともに今後の火災防ぎょ技術の向上を図って行きたい。

(田場 典徳)

 

救急・救助

重機挟まれ事故、操作員1名を救出

松山市消防局(愛媛)

 

はじめに

松山市は、愛媛県の中心部に位置し、東は西日本の最高峰石鎚山を擁する四国山脈を背景とし、西は瀬戸内海国立公園を望む人口46万人を数える都市である。

また、県庁所在地として政治・経済・文化の中心地であるばかりでなく、阪神・中国・九州の中間にあって、陸・海・空の交通拠点となっている。

「しあわせひろがるまち松山」を都市づくりのスローガンとして、その実現を目指し、都市の主役である市民がしあわせを実感できる都市づくりのため、各種の施策に積極的に取り組んでいるところである。

消防体制は、1本部・4署・4支署、職員数385人で面積289.31k?uを管轄し、地域住民の生命財産を守るために遭進している。

ここで紹介する事例は、真冬の低気温等、悪環境条件下において、野外で発生した重機(パワーショベルカー・重量3t)作業中の狭まれ事故における救急救助活動概要である。

1 事故発生日時等

(1) 発生日時

平成9年1月6日 14時43分頃

(2) 覚知時分

14時45分

(3) 現場到着時分

救助隊・消防隊 14時53分

救急隊     14時54分

(4) 救出時分    16時09分

A(27歳・男)

中等傷(腹部及び胸部圧迫)

(5) 気象状況

天候 曇り  風速 4.7m/s

気温 4℃ 湿度 37%

2 出場状況等

出場人員・車両

第1出場 14時45分

救助隊(救助工作車等) 2隊 7人

救急隊(救急車)   1隊 3人

指揮隊(指揮車)   1隊 2人

消防隊(ポンプ車)   2隊 8人

第2出場 15時22分

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION