広島県の北西部に位置する当本部は、山県郡の東、中部の千代田町・豊平町・大朝町で構成されており、中国自動車道及び浜田自動車道のインターチェンジ二箇所を有し、京阪神・九州・山陰山陽を結ぶ交通の要衝となっているため企業の進出が著しく、工業が基幹産業として大きく伸びている。
また、戦国時代の西の覇者、毛利元就のおかた(妻)の出生地、第二子吉川元春が居城した地としても知られ、これにまつわる城跡等が管内全域に点在するとともに、古保利薬師の本尊薬師如来他、国の重要文化財等を数多く有し、歴史と文化に恵まれた地である。
千代田町は神楽と大花田植の里を、豊平町はそばの里を、大朝町は温泉の里を目指して町の活性化に努めている。
昭和54年8月に設立された当組合消防は、1本部・1署・2出張所46人の職員と21分団688人の団員で「安全で住みよい町づくり」をスローガンに掲げ防災の任に当たっている。
★キャラクターでイメージアップ
当本部では、地域に密着した親しみある消防を目標に、管内住民を対象にイメージキャラクターを募集し、神楽の八岐のおろちをイメージした「オロチくん」を採用した。「オロチくん」は、別に公募した防火標語「大切に!生命・財産・ふる里を」とともに、署所等の看板、防火ポスター、広報用メモ、職員用名刺等に活用し、住民から好評を得ている。(イラスト)
★花田植で火災予防
春の火災予防運動前に、国の重要無形民俗文化財「壬生の花田植」に出演する飾り牛と揃いの法被姿の保育園児達が、太鼓や拍子木を打ち鳴らしながら、防火パレードを行い火災予防を訴えた。(写真)
★消防伝統技芸″はしご乗り″
古くからの郷土芸能が数多く継承されている当管内で、当本部の若手職員が、はしご乗りで火消しの気概を引き継ごうと、「吉川・三矢はしご」と命名した同好会を結成し、ふるさとまつり等で住民に演技を披露し喝采を得ている。
★消防団との強固な連携協力体制
各町消防団はいずれも歴史と伝統を有し、水火災の消防活動はもとより、地域の防災リーダーとして火災予防の啓発にも携わっており、応急手当の普及啓発事業の一環として全消防団員の普通救命講習の受講も実現した。
★高校に消防講座開設!
管内の県立高校が、自由選択授業の1つとして開講した消防講座に職員を講師として派遣している。
内容は消防関係資格、危険物災害等の知識学習から放水訓練、救助訓練、普通救命講習まで様々であり、修了時には普通救命講習修了証が交付された。
★人事交流で活性化を!
平成元年、隣接する高田地区消防組合と職員の相互派遣について合意し調印した。
現在、中堅幹部を引続き高田地区消防組合へ、幹部級を広島市消防局へ派遣するとともに、短期の実務研修を先進消防へ派遣するなど、職員のレベルアップと組織の活性化を図っている。
広川消防長は、「職員個々がマルチ人間を目指し、高いハードルを持ち頑張っている。職員が話しやすい環境をつくるとともに、温故知新をモットーにこれまでの消防長が築かれた路線を受け継ぎ、さらに当本部を発展させていきたい。」と力強く語られた。
(加藤 正美)