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歌手 坂本冬美 さん

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〃江戸の町の女火消し〃

 

「デビュー当時のような忙しさです」。演歌歌手・坂本冬美さんが、歌にドラマに舞台にと今年は大車輪の活躍だ。

坂本さんは昭和62年「あばれ太鼓」でデビユーし、レコード大賞新人賞を受賞した。それから10年。今年はひとつの区切りの年である。それが忙しさにつながつている。昨年のNHK「紅白歌合戦」では、歌手の勲章でもあるトリを務めた。

そして今年。テレビ大阪開局記念ドラマ「がんばりや!平成版どてらい女」(テレビ東京系で3月18日放送)に出演した。2時間ドラマ初主演だった。僅か21歳で父の運送会社を継いだ″どてらい女″が、その根性と明るさで会社を日本一の企業にする話だった。坂本さんのヒット曲「祝い酒」「男の情話」「男惚れ」、新曲「大志」などのイメージから、これははまり役。「私も関西出身(和歌山)ですし、私にピッタリの感じでした。デビュー10周年の私にとって、とてもいい仕事でした。」

このあとが、明治座公演「江戸の春・おんな一代纒。2年連続の座長だ。高校時代、ソフトボール選手だった坂本さんは、一年間会社勤めをした後、NHK「勝ち抜き歌謡天国と」出場し、61年度の名人となった。猪俣公章さんに認められ内弟子として修業。演歌の道をまっしぐらに突き進んできた。歌の中にあふれるしっとりとした情感と色気で、広い世代の人気を集めた。六年前には、舞台「花いちもんめ」の座長を務めた。これは女性としては最年少座長だつた。

今回の公演直前、急性すい炎でダウンした。一週間入院して体重も減った。そんなアクシデントを乗り越えての舞台。「去年は女盗賊役で、激しい立ち回わりがありました。でも今年は、好きな立ち回わりがなくて残念」。役柄は女火消し。江戸の町を火から守るため、かっこよく走り回わった。デビユー10年。燃える女坂本冬美さんは、゛どてらい女″を目指して新たな出発だ。

 

(インタビュー・編集部)

 

 

 

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