消防庁長官祝辞要旨
佐野徹治
本日、ここ熊本市におきまして、合同各地の婦人防火クラブの皆様が大勢お集まりになり、「第21回婦人防火全国大会」が盛大に開催されますことに対し、心からお祝い申し上げます。
また、只今表彰をお受けになられた方々におかれましては、日頃の御労苦の賜物と、本日の受賞をお喜び申し上げます。
そして、本大会開催のため、格別の御尽力を賜りました日本防火協会の皆様を始め、地元熊本県及び熊本市その他関係の方々に対しまして、心から敬意を表します。
さて、昨年は、全国で1年間に約64,000件、1日平均約175件の火災が発生し、そのために亡くなられた方々は約2,000人にのぼっております。
これらの火災の多くは、たばこやたき火、こんろ等の火の不始末といった原因によるものであり、普段の皆様の心がけで防ぐことができるものが大部分を占めています。
また、阪神・淡路大震災で、私たちは多くの教訓を学んだわけですが、ここ九州においても、今年の3月から5月にかけての鹿児島県薩摩地方を震源とする地震や、7月梅雨前線豪雨災害、台風19号等の自然災害は後を絶たず、特に、水俣市や菊池市、出水市の土砂災害等は、記憶に新しいところです。今後こうした地震や風水害にいつまた襲われないとも限りません。
このような火災や自然災害に対処するためには、私たち消防災機関の活動はもとより、皆様方のような「自分たちのまちは自分たちで守る」という自主的な防火防災意識の下に組織された婦人防火クラブ等の活動が極めて重要です。
ことに家庭の中で火を取り扱う機会の多い皆様方が防火意識を高め、安全な地域づくりに貢献されることに、大きな期待が寄せられているところです。
幸いに、多くの皆様の御尽力により、婦人防火クラブは、現在全国で約15,000団体、約250万人のクラブ員がそれぞれの地域において活躍されており、その活動も年々盛んになるなど、大変頼もしく思っております。
消防庁といたしましても、時代の変化に即応した消防防災体制の一層の充実強化を推進するとともに、引き続き皆様方婦人防火クラブの活動を応援していきたいと考えております。
最後に、本日御列席の皆様方の今後の御活躍と御健勝を心からお祈りいたしまして、私の祝辞といたします。