有料老人ホームの中からも情報開示の動きが出てきている。着実に広がってほしいものだ。(平成9年10月22日付日本経済新聞夕刊)
ある有料老人ホームの新聞一面広告から
「介護が必要になっても安心」とうたい、「全面的介護が必要になった場合もヘルスケア・センター(介護専用施設)で24時間、生活のあらゆる面にわたって世話をしてもらえる」など、設備やサービスに重点を置いた高級感のある有料老人ホーム。しかし通常のマンション広告と同様、詳細項目に類する部分は、虫めがねが必要なくらいの小さな文字でびっしり詰めて書かれている。他の同種広告も同様だが、高齢者相手のセールスにしては配慮が伺えない。またいろいろ書いてあるようだが、隅々まで読んでも、部屋の中ではどこまで介護が受けられるのか、どの段階から介護専用施設に移るのか、その場合、一人部屋なのか相部屋なのか、入居者に対する介護従事者の割合など情報として知りたい内容は、この広告には盛り込まれていない。
高い有料老人ホームの中身は土地代!?
有料老人ホームといってもピンからキリまであるが、「高額なホームだからその分サービスも充実」と単純に考えるとそこには落とし穴が…。通常、有料老人ホームの価格もマンション等と同様に、敷地=土地代が大きなウェイトを示める。バブル時代に購入された土地に建てば当然高くもなる。いつ頃建てられた物かということもひとつの判断基準となるだろう。いずれにせよ、あとで後悔しないためにも、しっかり納得のいくまで自分なりに検討しよう。