インターネットの先にあるもの
ふれあい祭の最終日、後片付けの真っ最中の桂寮にお邪魔して、感想を聞いた。
伊東裕揮さんは早稲田大学の学生。今回の仕掛け人の一人だ。コンピュータ関係の仕事を志望し、山田村に関わることで就職に有利な何かが得られるかもしれないと、かすかな希望を抱いての参加。「不純な動機だったんです」と笑う。「時代の流れで、高齢化と情報化はいずれぶつかる時がある。そのことを思うと、高齢・過疎、パソコン普及率日本一の村でどんな使われ方をしているのかを知りたかった。大変な毎日でしたが、一〇日間だけしかできなかったこと。だからこそできたのだとも思えます」
もう一人の仕掛け人、筑波大学の大学院生天野伸治さんは、「ここに来るまでパソコンのハードやシステムを改良して高齢化に対応させていくことばかりと考えていました。たとえば、お年寄りが見やすく叩きやすいキーボードとか。でも、小向さんの、インターネットの先にあるものを見たいという言葉を聞いて打ちのめされたんです。何のための情報化なのか、僕は頭でっかちだった。山田村ではパソコンを使いこなすことが目的では

「この事業がきっかけで近所とお付き合いをするようになりました」と微笑む谷井美智子さん。