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新・ふれあい社会考NEWS

 

●長続きする話し相手ボランティアを

東京・世田谷区の成城訪問看護ステーションの管理者にお会いした時のこと。ここは、ステーションから3キロ圏内で訪問相談、訪問介護を行っているが、家族をベースに、家族が愛を与える余裕ができるように、ボランティアが役割を認識して話し相手ボランティアとして活動してもらえればいいな、という意見があった。「大切なのは、相手に添うこと。また、ボランティアといえども、何となく接するのではなく、目的をもって接すること」とも。

ところが、港区のボランティアセンターによれば、話し相手ボランティアさんがいても、結局長続きせず、みなやめてしまうという。話し相手ボランティアは、案外簡単なようでいてむずかしい。それは聞き上手でなければならないからだろう。高齢者の方を相手にする場合、時には何度も同じ話をくり返し聞くことになる。相手のぺースに合わせて、ゆっくりと。決して「その話、さっきも聞いたワ」なんていわないこと。

家族だと、遠慮会釈なしの間柄だけに、また介護疲れもあってやさしさが持続できることは少ない。現に、長く在宅介護をしている方が、時間をやりくりしながら他人の家に出向いて助け合い活動をすることで、自分の家の介護に「やさしさを取り戻す」といった経験談を話される方もいる。また、その間、介護を受けている方も、他人が家に入ることによって、逆に、お嫁さんや娘さんにも「ありがとう」という言葉が素直に出るという。家族をべースにして、という訪問看護ステーション管理者のお話、ホントにそうですね。

 

●特養から在宅に1名復帰

東京・町田の特別養護老人ホーム清風園と第二清風園をヒヤリング。ここで感心したのは、まず、第二清風園のショートステイのベッド数が50床もあり、待機者がいないということ。今年度からオープンした新しい施設ということもあるだろうが、特別養護老人ホームも、ショートステイも、家族の面会が多いのが特徴だとか。

また、清風園のほうは古くからの入所者が多く、昨年度でいえば20名の退所者のうち60〜70%はターミナルケアで病院を経緯して亡くなられる方々が多いのだが、昨年は1名が自宅に復帰したのだとか。病院併設、賛育会が運営主体という連携にもよるのだろうが、コレは、関係者間では特筆すべきニュースです。

(ふれあい社会づくりグループリーダー 奈良 環)

 

 

 

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