私が倒れた時
堀田 力
さわやか福祉財団は、新しいふれあい社会の実現をめざしている。うれしいことに、多くの方々が共鳴してくださり、さまざまなご支援をいただきながら、仲間たちと、着実に、目標に向かって前進している。
これからの日本は、アジア諸国をはじめ、世界のいろいろな国の人々を受け入れ、融和して、地球市民の住む地域社会に成熟していかなければならないだろう。そうなると、新しいふれあい社会の実現をめざす努力は、少なくとも二十一世紀いっぱいは続けなければならないような気がする。
私は、したいことだけしているからとても元気で、当分へたばりそうにないが、やはり、後継者のことは、しっかり決めておく必要がある。
後継者は財団部内に育ってくれるのがもっとも安全であるが、常に時代の先端に立って運動を展開し、流れを作り出してゆく宿命を負ったボランティア団体には、安全な運営は自殺行為である。
日本のしきたりにとらわれて小さく内部に人を求めれば遂にその合意を得られず、団体自体が消滅するいくつかの例を、私は痛々しい思いで見てきた。
今回の事務局長公募というやり方は、私の後継者を選んでいただくやり方の一つの選択肢としてこれを試してみたという面がある。もっと強いのは、強力なリーダーを失ったボランティア団体を存続させるためのモデルとしたいという思いである。
このやり方で、私たちは、いい事務局長さんを得た。また、候補者の方々が、それぞれの能力を生かして、財団に協力してくださっている。
神谷前事務局長代行は、公募の経緯を名文で残して、新しい職場に去った。この方式が成功したポイントを、ここにまとめて記録しておきたい。
1. 求める人の像(評価する事項と評価基準)を明確にしたこと
2. 評価基準を適切に評価できるような選考方法(具体的な問題について候補者間でディベートしていただくなど)を持ったこと
3. 外部委員の審査をお願いしたこと