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番の収穫」と答えてくれた。

「まだ、こんなにいろんなことができるし、わかるんじゃないかと、こちらが驚かされることもたびたびでした」

もちろん、グループホームは万能ではない。攻撃的な症状を持つ人や寝たきりの人は、ここでは暮らせない。でも、お年寄りにとってここは、従来の施設よりも、よりわが家に近い感覚で暮らせる場所であることは確かなのだ。

「実は、私、次の人事異動で、特養のフロアに戻ることが決まっているので、今度は、ここのグループホームのよさを特養にどう生かしていけばいいのか、それを模索しているところなんです。これは、特養とグループホームの両方を経験した私にしかできないことだと思いますから。とにかく、特養であれ、グループホームであれ、自分が年を取ったときに入りたい施設にしたい、スタッフでありたいというのが、当面の目標ですね」

取材を終え、お年寄りの輪の中に戻っていった橋さんを、お年寄りたちがうれしそうな笑顔で迎えた。そして、橋さんの顔も、やさしい笑顔にあふれていたのが印象的だった。こんな若いステキな人がいるんだから、日本もまだまだ捨てたものじゃない―─。

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個室には、ベッドと小机、整理ダンスが置かれ、狭いながらも、プライベートな空間を確保できる。

 

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みんなで昼食の用意。お年寄りの動きを、注意深く見守る橋さん(写真一番上)。

 

(入居者のみなさんの暮らしの様子の写真は、「グループホームしせい」のご好意で借用・掲載させて頂きました。)

 

 

 

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