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みんなの広場 (LETTERS/おはがき)

 

ふれあいの心を育む社会とは

赤石 慎一さん 62歳 東京都

私は高齢者福祉は一部の人の奉仕により支えられる、というよりは私たちの毎日の生活のなかで、自分の周りの人々との人間的な濃いつきあいのなかで自然に生まれるものと思っています。乳児の親とのふれあいはその第一歩だと思いますが、最近は育児をお金で片づけて他人に任せる親が多いのは残念です。生きることがむずかしかった昭和初期では、濃い人間関係が家庭、学校、社会のあらゆるところにあり、お互いに摩擦のなかにも支えあって一生懸命生きていたと思います。

いまは生活が楽になりましたが、お互いにできるだけ摩擦のないように避けあって、表面的には円満なようで実情はバラバラに生活している感じです。このような社会では「他人のために何かをする人」を期待することはむずかしいようで、権力者は賄賂や公金の私物化を行いやすく、国民全体の豊かさに努力する姿は残念ながら見られません。

私は物は無くても心の豊かさのほうが大切だと考える人を乳児の頃から育てる必要があると痛感しています。そのためには国家も会社も育児、養育に協力すべきと思いますが、私たちとしましてもお互いにもっと関わりあいのある生活をするよう心が

 

 

 

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