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連載? ボランティア団体設立・運営Q&A

 

田中 尚輝

全国高齢化社会研究協会事務局長を経て、現在(社)長寿社会文化協会理事。又、さわやか福祉財団嘱託として組織・拡充部門を担当。主な著書に「高齢化時代のボランティア」(岩波書店)、「市民社会のボランティア」(丸善ライブラリー)

 

■ 公的福祉と市民互助型団体(その3)

 

Q 公的介護保険が決定され、実施されるとホームヘルパー派遣の「認定業者」が生まれますが、ボランティア団体・市民互助型団体はどのようにすればよいのでしょうか。

 

混乱する市民互助型団体

公的介護保険が間もなく決まり、二〇〇〇年から実施されるようになる見込みです。この保険の実施によって福祉や介護の世界は様変わりになることでしょう。

公的介護保険が実施されますと、ホームヘルパーの派遣の多くは、都道府県が認定する民間「業者」が担うことになるでしょう。営利会社が大量に進出する準備を進めています。

こうした中で率直にいいますと市民互助型団体に混乱が起こってきています。公的介護保険の「指定居宅サービス業者」の認定を受けるか、現在のままの活動を続けるか、ということについてです。「指定居宅サービス業者」を検討している団体は、次の二つのことを考えています。

? 介護の分野は、この法律によるサービスでほとんどカバーされてしまうのではないか。活動を継続していくとすれば、この範ちゅうに入らなければならないのではないか。

? 団体の運営が経済的に困難であり、「指定居宅サービス業者」の認定を受けると安定するのではないか。

団体のリーダーの気持ちは揺れ動いているのです。

 

 

 

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