学生ボランティア
地域の人々に思いやりのある子を育てる
東京都小平市立小平第十五小学校
校長 山下 敏夫
今、学校教育のあり方が問題になっています。子供たちの直接体験不足や生きがいの喪失そしていじめ、不登校児童・生徒の増加など、私たち教育現場が改善しなければならない課題は多くあります。従来から、やさしい子や思いやりのある子を育てることを各学校の教育目標の重点にしてきた学校は多くありました。それなのに、やさしさも思いやりも私たちが思うほど子供に身につきませんでした。その根本的原因は知識ではなく体験として、人と人とのかかわりを通してやさしさや思いやりを育てなかったことが原因ではないかと私には思えてなりません。
このような考えのもと、本校では思いやりのある子の育成を地域の人々とのかかわりを通して育てたいと考えました。そのために、地域に住む人々、特に高齢の方や障害のある方とのかかわる場面を教科学習や行事で計画しました。そして、その計画を企画・立案する校務分掌として「地域交流委員会」を設定し七名の教諭が担当しています。
「地域交流委員会」のねらいは、小平市立小平第十五小学校と地域の人々との交流を図ることです。そのため、お年寄りや障害のある人だけではなく地域に住む多くの人々とふれあいを通して心を育てることを大切にしています。
実践事例から、三点を紹介します。
《ふれあい給食》
栄養士さんから、お年寄りとのふれあいを通じて、相互の心の交流を図りたいとの申し入れがありふれあい給食が八年度に実施されました。初めは、給食を一緒に食べるなかで交流を深める計画でしたが、より心の交流を図るために二年生の生活科の授業との関連で実施しました。生活科の単