表紙絵から
池田げんえい/1946年神奈川県生まれ。日本児童出版美術家連盟、現代童画会会長。創作『鬼の会』同人。日本デザイナー学院講師。はり絵作家。
● 平成・東海道五拾三次
その25「金谷」
大井川土手
─大井川土手─
いやーあ大井川の橋は長かった。歩き始めて10分を過ぎても渡り切れないのだ。10分どころか充分苦しませてもらった。対向の自転車の女子高生のとりどりの制服がまぶしかった。
昨晩、ホテルに小学館のM氏よりTELあり。原稿依頼とのこと、「旅先なのにどうして?」の気持ちのまま今日、静岡駅「みどりの柱」で待ち合わせ。M氏は定刻に、オデコを光らせて現れた。駅前のゴージャスな、なんとかホテルラウンジにて食事をしながら、しばしのアーバンライフに酔う。陣中見舞いの意味が強いということにほっとして感謝!感謝!食事をおごっていただいて、再度感謝!
表紙の絵は金谷から大井川へ向かった逆行の図。この大井川では春の陽ざしのなか、ゲートボールの花盛りであった。
安藤広重絵「金谷」
背景の黒い山は、実は存在していなかったという。のどかに川を渡る風景がこの日の穏やかな流れを感じさせる。