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する予定である。Hughes社はWAAS開発のために時間的に同じ期間を与えられているがWilcox社との契約終結により当初計画より1年遅れとなっています。

FAAがWilcox社との契約を終結しHughes社と契約締結したことがFAAのプロジェクト管理が如何に変わったかを一例として示しています。この場合FAAは問題点を識別後直ちに契約を終結し引き続いて再契約を締結し事業の遅延を最小限に喰い止めています。当初のWAAS契約入札に参加した他社はFAAの契約取消手続きと再契約の速さは功績ではなく、Hughes社がWilcox社との原契約の下請の1社であったと云う好都合だと感じています。

 

費用増大と遅延

 

費用増大:

WAAS費用は増大しております。しかし、費用増大を討議する前にFAAからWAAS費用と言及している種々の方法を明確にする必要がある。

WAASプロジェクト費用は次の3つの方法で述べることができます。即ち、契約価格、プログラム費用と耐用年数費用である。

契約費用には、WAAS装置の開発、納入のためにFAAからHughes社に支払う金額のみが含まれます。プログラム費用は、WAASを実施するための費用総額であり、これには契約費用ならびに同契約を管理するFAA要員の費用と追加GEO衛星を含めた一切の所要追加装置の費用が含まれます。

耐用年数費用は、実にWAASの全体費用です。耐用年数費用には、プログラム費用(契約費用も含まれる)及び2016年までのシステム運用維持経費が含まれます。

WAASへの財源は更に一層複雑です。即ちWAASには2種類のプログラム用財源があるからで、これには施設・機器(F&E)予算勘定と、F&Eと運用・維持(O&M)予算勘定の両勘定が含まれるためである。

一般的には、WAASのような開発プログラムは、その開発段階ではF&E財源のみを充当し、運用時にはO&M財源のみを充当します。

FAAの他の通信費用はO&M予算で賄われているので、その費用はO&M予算に含まれています。

 

このことは、本質的に2つのWAASプログラム費用の数字があるために極めて混乱し、誤解されやすい。WAASプログラム費用として見るべき公平な数字はF&EとO&M財源の両方の数字であります。(下の表はこれを分かるように示している。)

 

下表に示すとおり WAAS契約費用は1994年から94%(又は2億3千4百万ドル)増大してきています。プログラムの全体費用(太字で示す)は同じ期間に59%(又は3億5千4百万円)増えてきており、WAASの耐用数年費用は72%(又は10億1千百万ドル)増大してきております。

 

 

 

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