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VTS8/WG5/5

3 Sep 1997

 

VTSにおける自動識別システム(AIS)

 

l. AISはつぎの3つの機能を満たす可能性を持っている。

 

a)衝突防止のための船舶間モード

b)沿岸国における船舶及び積載貨物についての情報の取得手段として

c)VTSのツールとして

本稿ではこのうちの第3の機能について述べる。

 

2. 1997年7月の第43回IMO航行安全小委員会で舶用AISの世界共通性能基準案が作成された。その内容はVTS8/2/3のAnnex 2の通りである。ここではシステムに期待される機能及び能力が明らかにされている。本稿に関連するのは以下の性能要件である。

 

a)乗組員が介入することなく、自動的かつ連続的に当局及び船舶に情報を提供すること。

b)当局及び他の船舶等からの情報を受信し処理すること。

c)優先度の高い呼び出し及び安全呼び出しに最小限の遅れで応答すること。

d)当局及び他船が正確に追尾するのに適切なデータ率で、位置及び行動の情報を提供すること。

 

3. VTS設備としてのAIS

 

AISは、VTSと連携させて利用すると、以下に示すように多くの点でレーダーに優る性能を示す。

 

a)AISの位置情報の正確度は、船上の航法システムの正確度によって決まる。DGPSと組み合わせて運用する場合は正確度を5mよりも良くすることが出来る。この値は一般的なIバンドレーダーで30m、E/Fバンドレーダーで70mという値と比較しても良い値である。

b)この位置情報の陸上のVTSセンターでの受信には、通常UHFかVHFの通信を使用する。VTSシステムがWCS-84測地系による統合電子海図を組み入れている場合は、同等の正確度基準で地域の状況に合わせて、船舶の位置を表示することが

 

 

 

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