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VTS8/WG5/8 Rev. 2

3rd Sep. 1997

 

VTSで使用する記号の標準化のための枠組みの概要

 

1. 序説

 

レーダーを基礎にしたVTSシステムが導入されたのは凡そ50年前のことで、その当時はレーダー情報を表示するのにPPIが使われていた。その後、レーダーの映像処理や無線通信などの分野での技術の進歩は著しく、それが交通のイメージや起こりつつある交通事象の把握を容易にした。最近のVTSシステムには、ENC(電子海図)/ECDIS形式の表示ができる高解像度のカラーモニターが取り入れられている(S57/S52は発展段階にあると考えられる)。

これまで、VTSで使用する記号の基準はなく、顧客の要求による経験に基づいて、使用記号の異なったVTSシステムが納入されてきた。

 

VTSには、現在ECDISで使われている記号よりも幅広い要求があると考えられているので、VTSシステムで使用する記号を標準化すれば、それだけの利点があるものと思われる。考えられる要求に応えるために追加する代表的な記号を末尾に示してある。

 

2. 考察

 

異なった形状及び色の記号を使うことを考える場合には、交通のイメージや起こりつつある交通事象の把握が容易に出来ることを確かめるために特別な注意を払う必要がある。色付きの記号を使う場合は、記号が背景に対して目立つことが特に重要であり、なるべくなら色付けした記号の使用は避けるべきである。そうすれば物標の映像との混乱が避けられる。

異なった多くの記号を判別するVTS運用官の能力も考慮すべきである。

こういった理由から、記号の数を制限すること及び、ラベル又はポップアップ式のウィンドーを利用する努力をすべきであると思われる。

 

3. 物標の記号

 

記号表示は、追尾の状態と追尾センサーの区別(レーダーか、AIS/トランスポンダーか)をするのに使われる。

 

記号表示は、リアルタイムの物標とリアルタイムでない物標(つまり、シミュレーション物標、予定物標、又はリアルタイムでない位置で表示される物標)を区別するのにも使

 

 

 

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