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VTS8/WG4/1

 

VTS機器の運用性能基準案作成についての作業計画討議資料

 

本資料はWG4の寄託事項「VTS機器の運用性能基準」の検討結果及び作業計画について、VTS委員会に提出するものである。

 

本作業の目的を若干大まかな表現で述べれば、VTSシステムの建設又は運用に責任を有する当局に対し、運用上の性能仕様を明確にすることが出来るような適切な指導を与えることである。

 

VTSシステムには色々な役割があって、その対象とする区域の地理的状況、航海の形態によって、所管当局はVTS計画の目的が何であるかを自由に分析し記述する系統だった方法を持っていると考えられる。このことは運用上の必要性という言葉で表現される。このような分析の結果は、応札予定者がシステムの目的が何であるか、所管当局が何を求めているかを理解するための仕様書の重要な部分をなすものである。

 

次に、所管当局は、出来るかぎり、将来のシステムに期待する質的なものについて、量的な言葉で正確に決める必要がある。この点から、VTSシステムは本質的に、適切な情報を取得し、蓄積し、処理し、表示し、そして配布しなければならないことに留意すべきである。したがって所管当局は、将来のシステムの固有の環境に付随する制約の下で、入力として使用される情報の質が、運用によってどの程度の影響を受けるのか、その影響はシステム内の全経路にわたって受けるのであるが、を決定することが出来るべきである。???VTSの総合的性能は、機器の性能に依存するだけではなく、「人、機械、手法」という3つの要素が関わりを持つということは強調しておくべき重要なことである。

 

観念的に何が望ましいかということと、実際の技術的人的能力及び財政的支援との間で妥協点を見出すことも又、非常に困難な判断である。

 

最後に、VTSのような複雑なシステムを持ちたいという所管当局は、国際的な応札者から、今後の契約者が供給しなければならなくなるであろう機器を実際にどのように作っていくのか、正式な保証を取り付けることが必要であると見做すように益々なっていることは事実である。これらの所管当局が発行する仕様書には、欲していることを如何に実行するかについての要求が含まれているものが一段と増えている。しかしながら、1つの機器の購入するところが、製造者の工程にどの程度まで合理的に介入しなければならないかをどのようにして決めるのか、という疑問も生じている。

 

 

 

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